第2回宮沢賢治国際研究大会−速報レポート26日


第2回宮沢賢治国際研究大会



 【宮沢賢治国際フェスティバル2000/第2回宮沢賢治国際研究大会】 


速報レポート

 今日の花巻

  ■ 駅前なはん通り

  ■ どんぐりと山猫

 26日の主な日程

  ■ 宮沢賢治国際研究大会(10:00〜14:40)
  ■ シンポジウム(15:00〜17:30)
  ■ 賢治ファンタジー<はやぐ来ぉ、又三郎>(18:30〜20:30)


 SOUNDデータについて

  ■ 音声で講演・発表などの一部を聞くことができます。
  ■ 再生にはリアルプレーヤーを利用しています。
  ■ パソコンによる制限事項等については、当該機種のホームページ等でご確認ください。

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■8月26日(土)


参加受付
 今日は会場を花巻駅前のなはんプラザ(A会場)、そしてホテルグランシェール花巻(B会場)に移しての研究発表会です。朝9時より受付開始です。花巻の天候は曇りですが、時おり薄日が差し込むこともあります。
 写真は、なはんプラザのホールの様子です。10時より始まる講演を前に予め配布された資料のプリントに目を通します。午前中はなはんプラザで3名、午後はホテルグランシェール花巻も含め6名、計9名が研究発表を行いました。

研究発表大会
 奥山文幸さん「七−賢治童話の構成―」
 賢治の童話には「七」という数字が象徴的に使われています。その根底には、日蓮宗の「南無妙法蓮華教」という七文字が契機になっていると考えられますが、それだけに止まりません。「七」という数字に執ようにこだわる賢治文学の深層に焦点を当ててみました。

(372K)
 ギータ・キニさん(インド)「宮沢賢治「よだかの星」とインド哲学」
 「よだかの星」の中のよだかの行動をインド哲学で解析しています。すなわち「たか」からの改名の無理強いから逃げるのではなく、最後に敢然と立ち向かっていったことがインド的な発想形態と似ているとのことです。よだかは、3段階の階層を経て悟りを開き、ついに幸福の域に達したということです。

(372K)
 アブラハム・ジョージさん(インド)「インドから見た「よだかの星」」
 「よだか」の行動を、“よだかのnegativeなプライドの側面”と”原罪の意識”について大別。藤村の『破戒』や非暴力主義のマハトマ・ガンジーを引き合いに出し、作品「よだかの星」はカースト制度の破壊を願うものであるとの考えを披露されました。

(372K)
 ヘレン・キルパトリックさん(オーストラリア)「やまなし」の絵本化
 童話「やまなし」には現実と非現実の不思議な調和があります。そして、絵本「やまなし」の中の‘童話’と‘挿絵’の間には、一見関連性がないように見受けられますが、実は大きな相関があることを指摘されておりました。

(372K)
 安井猛さん「宮沢賢治とパウル・ツェラン−異文化と出会う場所−」
 ユダヤ系ルーマニア人のツェラン(1920〜1970)はナチスのホロコーストを生き延びた後、ドイツ語で詩を書いた人です。賢治とツェランを比較して、異文化と出会う場所としての「闇」を見たものである、と結論づけてます。
 鈴木健司さん[<<ジョバンニ>>の行方・「銀河鉄道の夜」論−キリスト教と仏教−」
 ジョバンニのせりふを引用しながら、“ジョバンニが長じてファシストになる可能性”と“宗教的対立(キリスト教と仏教)の美学化”などを論点に据え、「銀河鉄道の夜」の中に見出される可能性を氏独自の視点で論じておられました。

(370K)
 山根久之助さん「賢治とハーディ−その類似性から見えてくる未来への指針−」
 賢治とハーディーの生い立ちと思想から共通点をあげ日本とイギリスの産業革命に立ちあった詩人の社会観をみていきます。
 岡屋昭雄さん「賢治の宗教思想と慈雲尊者の『十善法語』とのつながり」
 明治25年に葛城慈雲の『十善法語』が発行されましたが、この書物が賢治の宗教観に強い影響を与えたようです。二つの論点“慈雲尊者の宗教の特色とその内容”と“『十善法語』と賢治とのつながり”を設定し、賢治の宗教観に深いメスを入れておられました。

(370K)
 佐藤容子さん「賢治のコスモス−W.B.イェイツ、ウィリアム・モリスとの関わりを中心に−」
 賢治とウィリアム・モリスの関係はよく話題になりますが、それよりも、イェイツとの共通点を強調します。二人とも、「幻を見る人」として偉大な詩人であり「労苦」を「無題」に変える幻を見たとします。

シンポジウム
 「銀河鉄道の夜」−異文化へ−を主テーマに、異なる言語・宗教・文化の中で、どのように理解され受けとめられているのか討論されました。出席者は以下のとおりです。(会場となったなはんプラザのパノラマ画像はこちら
 ロジャー・パルヴァースさん
 エスプリやユーモアを駆使して日本人より巧みに日本語を操り、会場をうまく盛り上げてくれる達人でした。
 サラ・M・ストロングさん いろいろな文学に触れているが、賢治ほど好きな作家は他にはいないということです。
 アブラハム・ジョージさん 自分が翻訳した「銀河鉄道の夜」は、100%売れるだろうという頼もしい発言が聞かれました。
 天沢退二郎さん 「銀河鉄道の夜」は、異文化との交流を目指した作品であり、21世紀には異文化との接触が日常化し、今はそのスタートだと指摘されました。

賢治ファンタジー<はやぐ来ぉ、又三郎>
 研究発表会終了後は、シャトルバスで移動し、宮沢賢治童話村での「賢治ファンタジー」<はやぐ来ぉ、又三郎>が行われました。さわやかな合唱(精神歌の英語版も披露されました)を楽しんでいると、辺りはすっかり暗くなり、ロックバンドや突然浮かび上がる熱気球、そして子どもたちの扮する又三郎…、不思議な空間を体験することができました。



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