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中野隆之「賢治童話「カイロ団長」を読む―恍惚と沈黙―」黒葡萄(新生)、第2号、90年8月、1426

 「カイロ団長」に、昔話に共通するパターンを指摘した上で、とのさまがえるとあまがえるの造型の背景に、大正末年の支配者階級(資本家・地主)と被支配者階級(農村)の関係を想定する。テーマをあまがえるの、とのさまがえるに対する「報復劇」に見ずに、支配者になったとのさまがえるの恍惚と、あまがえるの哄笑後の沈黙に見、関係の変化による心理の揺らめきを描いた点に近代性があるとした。(杉浦)

作品索引:「カイロ団長」