1-168

三浦正雄「「貝の火」試論―「易経」と五行思想によるイメージの展開―」緑岡詞林、第14号、青山学院大学日文院生の会、90年3月、3050

 草稿表題上に記された「吉凶悔吝」の図を「作品を書いた時に、念頭にあった思想を、後に回顧して図式化したものと考え」て、「若くして東洋の神秘的思想の深奥に関心をもった賢治が、『易経』を中心に五行・十干・九気・十二支など」の「陰陽五行の思想」の「イメージを血肉化した作品」として「貝の火」をとらえる。作品の展開に沿って分析し、主人公の設定、事件、ストーリーの展開にも、仏教的六道輪廻観に重ねて五行思想がはりめぐらされていると主張。「ホモイの失明という作品の結末」も「宇宙の理法」を示すというテーマの反映で、他作家と比べる時、「自然の理の客体化」の中に救いがほの見えるという。(栗原)

作品索引:「貝の火」

事項索引:易経、五行思想