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安藤恭子「「山男の四月」論―なぜ、「山男」は登場したか―」国文学解釈と鑑賞、第55巻6号、至文堂、90年6月、128134

 まず柳田国男の『遠野物語』や「山人外伝資料」と比較して、「山男の四月」の山男の登場場面のすべてに、こうした伝承の投影を見ることができると指摘する。さらに山男が里の人間社会に出てこざるをえなかった理由を、柳田の様々な著作から、山男と平地人との間に交易が行われていた、配偶者獲得のため、孤独と懐郷の念が危険を冒しても里へむかわせる、の三つに見出せるとする。最後に論者は、「柳田が「山人―平地人」を〈疎外〉の構図と捉えたように、賢治もまた、〈疎外〉の象徴として山男を捉えた」と結論づける。(大塚)

作品索引:「山男の四月」

事項索引:柳田国男、山男