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伊藤眞一郎「宮沢賢治論―父の影・その行方―」国文学解釈と鑑賞、第55巻6号、至文堂、90年6月、4451

 別役実の『イーハトーボゆき軽便鉄道』の「銀河鉄道の夜鉄道の夜」をめぐる「影法師=父親」説を念頭に、賢治文学に於ける「父的なるもの」の意識変化を見たもの。大正七年のいわゆる「青びとのながれ」幻想にみられる、生存競争の渦中にある承認としての父親から生じる「ばけもの」としての父親像が、「銀河鉄道の夜」のカムパネルラの父親の態度に示されるような「大いなる父なるもの」へと意識変化され、賢治の内在化された思想原理になったと主張する。(大塚)

作品索引:「銀河鉄道の夜」

事項索引:家、影、生存競争、父、別役実、宮沢政次郎