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伊藤雅子「稲妻・B氏・ブドリ―空中窒素固定法の夢―」賢治研究、第52号、宮沢賢治研究会、90年7月、3243

 「装景手記」に書かれる雷が硝酸の雨を降らすという一節が、科学的根拠を持つことを、吉村清尚『新編肥料学全書』(大六)、川瀬惣次郎『肥料学』(大一〇)に拠って示し、その人工的応用である空中窒素固定法が当時、画期的なものであったことを確認する。その工業化の技術を発明したビルケランが、オーロラを室内で再現する実験を試みた人物であり、大正六年東京に客死したことを紹介。宮沢賢治がビルケランに影響を受けたという仮定のもとに、「風の偏倚」や「グスコーブドリの伝記」にビルケランの、空中窒素固定や、オーロラ研究の影を指摘した。(杉浦)

作品索引:「グスコーブドリの伝記」「装景手記」『春と修羅』「風の偏倚」

事項索引:天文、電気、肥料