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大塚常樹「詩「春谷暁臥」を読む―“春”の象徴について―」国文学解釈と鑑賞、第55巻6号、至文堂、90年6月、109115

 詩集題名『春と修羅』の「春」を、「浄福な境地」とする恩田逸夫の説に対して、そこに生命昂揚と結びついた“性”の暗示を見出そうとする試み。「春谷暁臥」「〔つめたい風はそらで吹き〕」等を分析し、「爬虫的な生本能」が性のイメージとしてあったことや、フロイトの『夢判断』との密接な関係を指摘、最後に賢治が読み込んでいたハヴロック・エリスの『性の心理学』の特質を紹介し、賢治における「春」の象徴の意味をまとめている。(栗原)

作品索引:『春と修羅』「小岩井農場」「三三五〔つめたい風はそらで吹き〕」「三三六 春谷暁臥」

事項索引:エリス(ハヴロック・)、性、フロイト