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栗原敦「はげしく寒く―「産業組合青年会」―」国文学解釈と鑑賞、第55巻6号、至文堂、90年6月、97102

 「業の花びら」と同一の日付をもち、別に文語詩化も試みられた「産業組合青年会」の解読。定稿用紙になって初めて「産業組合青年会」となった理由を、草稿的紙葉群にまでさかのぼり、そこに佐々木喜善『聴耳草紙』にも採録されている五郎沼の「お菊の水」伝説を見、「古い規範に触れることなしにどんな新しい試みも主張されえない、その思いが強いる恐るべき不安と緊張こそこの作品を書かせた」とし、一方定稿では「自分は背後に退かせ、感情の暗示を光景自体にゆだねて、何よりも「産業組合青年会」の「処士会同」の場における対峙の構造を読者にさらけ出すことになった」ことに、表題変更の理由を見る。結局、「業の花びら」とは長歌と反歌のように互いに補いあう一組をなしていたと結論づける。(大塚)

作品索引:「三一三 産業組合青年会」「三一四〔夜の湿気と風がさびしくいりまじり〕」

事項索引:佐々木喜善