2-112

菅原鬨也『宮沢賢治 その人と俳句』創栄出版、917月、245頁、19cm

 本著は賢治の生涯と彼の俳句の全作品について触れたもので、単なる解釈と鑑賞にとどまらず、考証過程をきめ細かに記している。併せて賢治の生涯を伝記的に捉えている。著者は、賢治と花巻在住の俳人鎌田一相との出会いから筆をおこし、一相が没する所で筆を擱いている。それは一相が遺したメモ(『岩手鷹』に十五回連載された文章)の考証に重点を置き、かつその考証と賢治の生涯とを対照させているからで、焦点は賢治作とされていた「自炊子の烈火にかけし目刺かな」が石原鬼灯作であること、及び「蟇ひたすら月に迫りけり」他一句が村上鬼城の句と深く関わっていることを具体的に考証していること。(萩原)

事項索引:俳句