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宗左近「縄文の子孫たち―現代作家・詩人の場合―」『日本美縄文の系譜』新潮社、914月、222258

 現代と断絶していると思われている縄文が実は後代の日本人に絶えず取り憑こうとしているという著者は、東北出身の作家を取り上げて、その作と縄文との関連を論ずる。その中の一人、宮沢賢治には、人類発生よりずっと以前のビッグバンからの集合無意識が濃密に生きている、と述べる。ここで言う無意識とは「食われた魚=人間として、ここに生きている」という、前世と現世、死と生が一体しているという自覚である。また、賢治と縄文の同質性として、@死と生の中間表情、A大自然(なかでも山、火山)と祖先を神とすること、B動力学と静力学の二つからくる祈りの構造、C万物への愛の宗教、の四点を挙げている。(安藤)

作品索引:「インドラの網」「十力の金剛石」『注文の多い料理店』「農民芸術概論」『春と修羅』「青森挽歌」「ひかりの素足」