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別役実「賢治宇宙の旅」『日本幻想文学集成6宮沢賢治』国書刊行会、918月、261270

 「銀河鉄道の夜」における「天気輪の丘」の場面に焦点をあて、ジョバンニが丘の上から街の方を《振り返る》ことの意義を問う。それは、ジョバンニが「街の生活者」たらんとした意義の表れであり、「天気輪の柱」とはまさにジョバンニを振り返らせるためにたっていた、との読みを示す。その上で、「天気輪の柱」は、ジョバンニの知的認識システムを変質させるための一種の装置であり、「イーハトーボ」を新たな異質なものとしてではなく既に共有していたものとして気付かせる働きがある、と主張する。(鈴木)

作品索引:「銀河鉄道の夜」