2-55

天沢退二郎『謎解き・風の又三郎』丸善、9112月、205頁、17cm(丸善ライブラリー)

 「一章題名の謎」「二章ウタの謎」「三章九月一日の謎」「四章九月二日の謎」「五章九月三日の謎」「六章九月四日の謎」「七章九月五日または六日の謎」「八章九月七日の謎」「九章九月八日の謎」「十章九月九〜十一日の謎」「十一章九月十二日、第十二日の謎」より成る「風の又三郎」論。

 作者賢治がつけた題名をはじめとする、テクストの実状の問題、「三年生はいるのかいないのか」や「孝一」と「一郎」のことといった推敲過程と本文の関係、「さいかち淵」などの先行作品との関係、冒頭の人物論や作品の舞台、嘉助の見たもの、幻想の問題など、縦横に論じている。「一般向け」の書物ながら、昭和四十二年版全集時点で原稿が無くなっていて確かめられない日付を、校本全集時点での推定とは変えている点他、研究向けにも重要な事項を多々含む。(栗原)

作品索引:「風の又三郎」「風野又三郎」「さいかち淵」「種山ヶ原」

事項索引:沢里武治