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伊藤眞一郎「黄いろなあかりを点じ電車はいっさんにはしり―「早春独白」再読―」宮沢賢治研究Annual、第1号、宮沢賢治学会イーハトーブセンター、91年3月、98110

 「春と修羅第二集」作品「早春独白」を、作品舞台、作品情景、登場人物と分析しつつ、「詩人は」「若い農婦」「その働く農婦の姿に妖しさを堪えた幻想的な女性美を見出す」として、「作品の結尾部」に感じられるという「ある種の危機意識のようなもの」と対比させながら「詩人における、女性のエロティシズムの美に対する性的な禁欲意識と、それに由来する危機意識の隠微な発動」の「暗示」を見出していく。あわせて「〈黄いろなあかり〉」に死んだ妹トシを関わらせる象徴的意味を見て、問題の根源に重ねようとする。(栗原)

作品索引:「青森挽歌」「二五 早春独白」「二七 鳥の遷移」