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大沢正善「「土神と狐」とその周辺―「修羅」の克服―」宮沢賢治研究Annual、第1号、宮沢賢治学会イーハトーブセンター、91年3月、111125

 登場人物の「三角関係」の仕組みを分析し、「土神」「狐」の設定の必然を探り、登場人物たちが抱く「色彩の不思議」への疑問と興味に着目して、「恒星の進化と輝色の関係に由来」し、また「法華経」「薬草喩品第五」の「説法に由来する」知識の割振りを見出し、「一つの本質から多様な現象が生じること」への「疑問」から「現象としての自己の本質を模索している」姿が示されているとする。そして、大正十二年から十三年にかけての他の作品に見える「言葉への不信」の表現などから「世界への同定」に向かう「知」からの転換によって「「修羅」の克服」が求められていたと見ている。(栗原)

作品索引:「ガドルフの百合」「虔十公園林」「土神と狐」「林の底」「茨海小学校」

事項索引:修羅、法華経薬草喩品