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大塚常樹「宮沢賢治 『グスコーブドリの伝記』」日本文学、3月号、日本文学協会、91年3月、8892

 「グスコーブドリの伝記」が「近未来的な最新科学技術に支えられたユートピア物語であるにもかかわらず、何故ブドリは科学で救えず死ななければならなかったのか」という命題のもと、賢治の科学的知識が「当時最も信頼できる科学者」アレニウスの説に拠ったものであることを主張。殊に、「カルボナード島火山の爆発による気温上昇」の問題に関して、土佐亨説(『グスコーブドリの伝記』私見)を批判。詩〔あゝ今日ここに果てんとや〕に示された「悔恨の情」こそが、ブドリの美しい殉死へと賢治を駆り立てたものであると結論づける。(鈴木)

作品索引:「グスコーブドリの伝記」〔あゝ今日ここに果てんとや〕