2-74

大塚常樹「宮沢賢治「春と修羅」、その「心象」宇宙のレトリック」日本近代文学、第45集、日本近代文学会、9110月、8698

 本論は()「心象」語誌、()微塵のレトリック―一即多の思想、モナドと蓮華蔵世界海、()雲と海のレトリック、()死のレトリックの四章からなる。()においては「心象」の詩を諸説を踏まえた後心理学書に見出した可能性が高いとしてエンジェルとエリスを挙げ、そのうちエンジェルの『機能主義心理学講義』に比重をかける。()は華厳経の蓮華蔵世界海観とモナド論との関連、()は華厳経そのものが雲と海の比喩を多用する経である点に着目したもの。()において、トシの死に結びつくものとして倶舎論に触れ、輪廻転生から解放された「永遠なる命」を獲得し、そこから更なる「死」の主題が賢治作品を新たに生み出して行くとする。(萩原)

事項索引:信仰、文学