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木村東吉「宮沢賢治『曠原淑女』考」島根大学教育学部紀要、第25(人文・社会科学編)9112月、1―13

 「〔日あしがぼうとひろがれば〕」を含む「曠原淑女」関連五種の原稿を扱い、最初に(1)(3)(4)及び定稿との日付の違いを問題にする。舞台や作品内容事実を吟味して、「スケッチ」から「構想変更を含む飛躍と断層」の存在を指摘し、「構想変更」「モチーフの変更」を検討する。下書稿(1)の「作者の心情は、村娘に働き掛けようとする温い心でありながら、風に託すしか方法のないもので、」その思いが「下書稿(2)以下の改稿」を生み出してゆくとしつつ、特に大きな「構想変更」を(3)(4)との間に見、そこに取り込まれた「虚構性」の意味を追求し、「賢治詩における鳥のイメージ」の検討と「薤露青」での妹トシのイメージを「村娘」に関連づけることから「下書稿(4)推敲形と定稿の到達点」を論ずる。(栗原)

作品索引:「曠原淑女」「九三〔日あしがぼうとひろがれば〕」

事項索引:宮沢トシ