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和田隆一「「無声慟哭」私論」愛媛国文研究、第40号、愛媛国語国文学会、9012月、5966

 「無声働突」三部作について、「事実」ではなく「仮構」を通して描かれた「真実」を検証しようとし、「永訣の朝」は「臨終の場面から父を消去したことで」「兄と妹の物語」を仮構して「祈り」に到達し、「松の針」は「みんな」の世界の象徴である「母」の存在を介して、「修羅」「兄=妹の関係性」にとどまらせられたことを示し、「無声働突」は「家族」のもつ「二律背反の構造」の中で「宗教情操」にせよ「恋愛」にせよ、「可能性も含めて『わたくし』の姿を矛盾のままで提示する」ものだったという。(栗原)

作品索引:「永訣の朝」「松の針」「無声慟哭」