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工藤哲夫「寒熱風雨―〔雨ニモマケズ〕の典拠―」京都女子大学宗教・文化研究所研究紀要、第4号、913月、3558

 「〔雨二モマケズ〕」の典拠として「寒熱風雨」説を提出。主に『大智度論』の記述に即して論証を展開している。まず、賢治の修羅意識の核となる「瞋恚」を論じ、次いで、「瞋恚」を超克するための「忍辱」(六波羅密の一つ)に論が及ぶ。「寒熱風雨」とは「忍辱」のうちの「法忍」に属するもので、「雨二モマケズ、風ニモマケズ、雪二モ夏ノ暑サニモマケヌ」の詩句は、明らかに「寒熱風雨」に当てはまり、他の詩句も多くの箇所において対応関係が指摘できるとする。(鈴木)

作品索引:〔雨二モマケズ〕