第63号 2002.9.1
宮沢賢治学会イーハトーブセンター事務局発行
・イーハトーブ館図書室
図書・資料受入れ報告(2002年3月4日〜2002年4月27日)
「私と賢治」というテーマで参加者が、5分間の中にそれぞれの思いを気軽に述べあうコーナー。 ただし、「宣伝」や「行事案内」だけの内容のも黄は、ご遠慮いただくことといたしましたので了解願います。
なお、参加者への記念品として、ちょっと気になる「イーハトーブ館図書券」(5百円券2枚)を用意いたしますので、 どうぞ皆様ふるってご参加ください。当日会場にて申し込みを受け付けます。
1日目の行事終了後、同会場にて、参加者交流・懇親会を開催いたします。会費千円、当日会場にて受付いたします。
なお、この会を連続企画第3回「宮沢賢治をたべる会」として、 現在イーハトーブ館にて開催中の企画展「ごちそう博覧会」 のアンケートより、リクエストの多かったイーハトーブに関する料理を味わう予定ですので、お楽しみに。
第9回研究発表会等で、大正5年夏期実習として賢治らクラスが実施した盛岡附近地質調査に関し、 その調査の動機に、賢治の大きな係わりが推定されることを指摘した。
今回はその賢治らの調査報告、『盛岡附近地質調査報文』について、先ず、地質調査と言う名目でなされているが、 実はかなり土壌にも重点を置いた農林業の立場で記載されており、調査はもちろん、報文作成にも関先生の関与が 大きかったことが推定され、また賢治ならではの記述部分のあることなど、6つの特徴を挙げ考察する。
更にこの調査が土壌にも重点を置いている点で、翌大正6年の江刺郡、大正7年からの稗貫郡地質・土壌調査へと 連続し、賢治もぞれらに重要な役割を果たしている。従って盛岡附近地質調査は、それらの前段階となる重要な 意義あることを、関先生の土性調査法研究発展と、賢治の盛岡附近地質調査での活躍を裏付ける立場より考察した。
あまりにも有名な賢治の画「日輪と山」であるが、多くの不思議に満ちている。この画には魅力があり、 真実らしいところも感じられるが、見ているうちに「眼まい」がしてくることも確かだ。 その理由はこの画には実の部分と虚の部分とが混在していることにある。 本発表では次の3点を主に解明したい。(1)画かれた「日輪」はどのように実在のものを変形しているか(構造)、 (2)こういう現象はどういう時に現れるか(条件)、(3)太陽と山と観測者の位置関係はどうなっているか (観測者の視点)である。結論の一つをいえば、実在の現象は微粒子や水滴を多く含む大気による太陽光線の 回析現象であって、中央の明るい円盤(光冠という)とそれを取り巻く光の輪(光輪という)とから成る というものである。いっぽう画かれた図は、それを部分的に表現してはいるが、実在のものと比べると色彩が 全く違うのである。このような点について考察する。
動物との交流は、宮沢賢治が意図したゴーシュの欠点を補える的確な練習となっているのであろうか。 自身チェロをたしなむ賢治の示唆する言葉は音楽的に留意しなければならない点が多く秘められているように思う。
そこで私は、ゴーシュの欠如している音楽的技術とそれに対する各動物が指摘する内容を明らかにし、 また賢治のチェロ技術修得に関わりのある(藤原嘉藤治と練習)(大津三郎のレッスン)そして(筆写した 西洋音楽講座)の3項目を参照して、「セロ弾きのゴーシュ」に底流する賢治の音楽的素養に触れてみたいと思う
賢治が農学校で教え、「羅須地人協会」の活動を行っていた1920年代は、日本でも那須皓が翻訳した ホルマンの著書「国民高等学校と農民文明」の影響を受けて、成人教育が活発化した時代であった。 その代表的なものが土田杏村が先導した自由大学運動であり、加藤完治の日本国民高等学校であるが、 これまでの社会教育史研究や先行研究では、賢治の「羅須地人協会」は他に200から300あったと 言われている塾風教育の中に含まれている。そこで、これまでの先行研究を踏まえて、具体的に1920年代の 成人教育の動向が賢治に与えた影響について、検討する。
さらに、1920年の社会運動と農民運動の動向に基づいて、賢治が目ざした農村共同体とはどのような 共同体だったのか検討する。
最後に社会教育と生涯教育の観点から、賢治の「羅須地人協会」での活動が、現代の生涯教育論に 何を示唆するのかについて分析を行う。
岩手県東和町安俵、安俵城跡に顕本法華宗実成寺がある。当時、この実成寺を管掌していたのは 国柱会会員でもあった小原道勝師であった。賢治の求道の行動はこの小原道勝師から教えを受けることから 始まったと考えられる。また国柱会の実践的な宗教活動の情報を知る窓口になったと思われる。 この小原道勝師への訪問は朝駆けと言える突飛なものであった。花巻の自宅からはおよそ10kmの行程で、 その3分の2は樹木に被われるような山道であった。何かに憑かれたように夜道を辿る賢治の姿に、 強靱な求道の精神を感じないではいられない。
現在、この道は廃道になっているものの、当時賢治が歩いた道が部分的にではあるが残っている。 このわずかに残されている当時の道を改めて精査し、時の隔たりはあっても賢治とともに歩く 「求道の道」として紹介し整備して、賢治の心情に触れる場所として顕彰したいものである。
また、9月20日、花巻市内の中学校・イーハトーブ館にて、風のセミナー後期9講座が開催されます。 日程チラシを同封いたしましたのでごらんください。
本会の会費は、毎年4月から翌年3月までが年会費となっております。前年度分未納の方に、 今回事務局だよりとともに郵便振替の用紙を同封いたしました。同時に、会費の受納は随時受け付けており、 イーハトーブ館への来館のおり、郵便局、銀行へお立ち寄りの際、収めてくださっても結構です。
郵便振替口座02330=7=26637
岩手銀行花巻支店普通口座0480908
名義 宮沢賢治学会イーハトーブセンター
会費年額 一般 3,000円 学生 1,500円 賛助会員・30,000円
なお、昨年度の会費を未納の方で、本年9月末日までにお納めいただけない場合は、やむなく退会扱いとさせて いただいておりますので、どうかお早めにご納付ください。
【寄贈図書・資料】
〔配列は受入日付順(ただし継続刊行図書等はひとつにまとめて記載)で、記載項目は、寄贈者(出版社)・書名・発行所(寄贈者・寄贈出版社と同じ場合は略)の順〕