第88号 2007.8.30
宮沢賢治学会イーハトーブセンター事務局発行
・宮沢賢治学会イーハトーブセンター第18回定期大会プログラムのお知らせ
花巻も毎日暑い日々が続いております。皆様いかがお過ごしでしょうか。今月は21日の賢治祭をはじめ各地で多くの催しが予定されております。
さて、今回同封されております情報チラシは、次のとおりですので、どうぞご確認ください。
1. 事務局だより88号
2. 2007年度総会召集について
3. 第18回定期大会プログラムのお知らせ
4. 後援イヴェント「林 洋子ひとり語りー宮沢賢治」クラムボンの会27周年記念講演チラシ
5. 後援イヴェント「第二回宮沢賢治学生大会」チラシ
今回、本年度の会費(毎年4月〜翌年3月)につきまして、前年度分滞納の方、及び今年度未納の方に、事務局だよりとともに郵便振替の用紙を同封いたしました(納入済みの方には同封されておりません)ので、納入についてよろしくお願いいたします。 同時に会費の受納は随時受け付けており、イーハトーブ館への来館のおり、郵便局、銀行へお立ち寄りの際、収めてくださっても結構です。
郵便振替口座 02330=7=26637
岩手銀行花巻支店普通口座 0480908
名義 宮沢賢治学会イーハトーブセンター
会費年額
一般・3000円 学生・1500円
賛助会員
個人 一年一口1万円(何口でも可)
団体 一年一口3万円(何口でも可)
小中学生無料
このお知らせと行き違いにお支払い済の場合は、何とぞご容赦のほどお願いもうしあげます。また、会費に関するお問い合わせは、事務局までどうぞ。
前回事務局だより(6・25)以降の理事会・委員会ごとの会務をお知らせします。
◆理事会
7月29日(日) 第1回理事会議 午後1時 イーハトーブ館
2006年度事業報告及び決算について、第17回宮沢賢治賞、イーハトーブ賞の決定について ほか
◆賞選考委員会
7月 1日 (日) 第2回賞選考会議 午前11時 イーハトーブ館第17回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞第二次選考会議
7月15日(日) 第3回賞選考会議 午前1時 イーハトーブ館第 17回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞第三次選考会議
◆企画委員会(定期大会実行委員会)
7月29日(日) 企画委員会・第18回定期大会実行委員会会議 午後3時 イーハトーブ館 07年度事業の執行について 定期大会のプログラム協議(企画委員が全員定期大会実行委員である ことから企画委員会と合わせて開催した)
◆学会主催・協力事業・事務局
7月19日(木) 会計監査 午前10時30分 宮沢賢治イーハトーブ館
2006年度会計監査 赤井、阿部、両監事出席
7月28日(土) 宮沢賢治夏季特設セミナー(初日) 長期企画「風の又三郎」の謎に迫る(第4回) 午後2時 宮沢賢治イーハトーブ館
基調報告 14:00〜14:30「何故「さいかち淵」はかくも深いか」 報告/天沢退二郎
シンポジウム 14:30〜16:00「「さいかち淵」草稿嵌入の意味と役割」
パネリスト/秋枝 美保(福山大学人間文化学部教授)
平澤 信一(米子工業高等専門学校助教授)
7月29日(日) 宮沢賢治夏季特設セミナー(二日目)映像と講話 10:00〜12:00
映像「風の又三郎」(NHK TV 1976)
講話「別役実さんに聞く」
別役 実(劇作家) インタビュー/天沢退二郎
8月 4日(土) 第2回風のワークショップ「石っこ賢さんになって遊ぼう」
幼児・小・中学生17名、保護者・一般8名 宮沢賢治イーハトーブ館(雨天のため)
8月24日(金)〜8月31日(金) 風のセミナー開催 イーハトーブ館 市内幼稚園,小学校全30講座
会員各位
宮沢賢治学会イーハトーブセンター
代表理事 天沢 退二郎
謹啓 ますますご清栄のこととおよろこび申し上げます。
さて、次により定期総会を開催いたしますので、ご出席くださいますようご通知申し上げます。なお当日ご出席願えない場合は、委任状によって議決に参加していただくことができますので、所定の様式により他の出席会員にご委任ください。
1日時 2007年9月22日(土曜日)午後1時00分
2場所 NAHAN(なはん)プラザ(東北本線花巻駅前)
3議題 議案第1号 2006年度事業報告及び収支決算の承認について
議案第2号 2007年度事業計画及び収支予算について
※ 当日ご出席の際は、会員証を会場受付にご提示くださいますようお願いします。
定期大会実行委員会
来る9月22日23日の二日間にわたって、第17回定期大会が開催されます。
会員外の方も参加できますので、どうぞお誘い合わせの上、おいでください。
■第18回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞贈呈式 【10:00〜12:00】主催/花巻市
選考経過報告、主催者あいさつ、受賞者あいさつ、記念行事
■定期総会 【13:00〜13:45】
■賢治研究リレー講演 【14:00〜15:00】
■イーハトーブ・サロン 私と賢治 【15:15〜16:15】
「私と賢治」というテーマで参会者が、5分間の中にそれぞれの思いを気軽に述べあうコーナー。ただし「宣伝」や「行事案内」だけの内容のものは、ご遠慮いただいておりますので、あらかじめご了解願います。
なお発表者への記念品として、ガイドブック『賢治のイーハトーブ花巻』2冊を用 意いたしますので、どうぞ皆様ふるってご参加ください。当日会場にて申し込みを受け付けます。
■参加者交流・懇親会 【16:30〜18:00】
1日目の行事終了後、なはんプラザで、参加者の交流・懇親会を開催いたします。会費千円、当日会場にて受付いたします。
■研究発表【9:30〜12:00】
今回も応募者多数のため2会場にて開催となりました。発表者と発表要旨は以下のとおりです。
風の又三郎にて、謎とされてきた「ちょうはあかぐり」の意味を直感において、閃くものがあったので報告したい。
結論から言うと、「ちょうはあかぐり」とは、トンビの鳴く声ではないかと思われる。先日、NHKの「にほんごであそぼ」において、トンビの鳴き声が放送されており、この時、頭の隅に残っていた風の又三郎の「ちょうはあかぐり」の不思議な響きがトンビの鳴き声と重なった。しかも、この表現をトンビの鳴き声と考えても文章の整合性を損なわないばかりか、より具体的に理解することができる。この場面において嘉助は小学生がプーンと飛行機の真似をするように、「ちょうはあかぐり、ちょうはあかぐり」とトンビの真似をして学校にやってきていたと思われる。
前回、詩「雨ニモマケズ」のテキストクリティークをおこない、従来多くの研究者が採用してきた「ヒドリノトキハ」という部分を「ヒデリノトキハ」に改変するという操作は、誤りであるということを立証した。これにより「ヒドリノトキハ」の部分を改変しないそのままのテキストが賢治作品として正しいものであると確定できるのだが、これからは、その正しいテキストにもとづいてこの作品を読みとくことが必要になる。今回その読みときを試みたので、一つの読み方として提示する。
かつて、「ヒデリノトキハ」と改変されたテキストにもとづき、対比表現の多用に初期の修羅の精神をうしなった作品と評した研究者もいたが、正しい表現にもとづく読みときをおこなうことで、賢治が終生もちつづけた修羅の精神を理解することができる。
なお、「ヒドリノトキハ」はこの作品の用語法から判断して、方言ではないという立場にたっている。
小題「春と修羅」の四行を絶句とし、起句"灰色はがね"、承句"あけびの蔓"を物象学として、転句"野ばらの薮"。"腐植の湿地"を生態学として論致して来た。結句に法華経を出典とする"諂曲模様"に関し、宗教上の教理として結論づけたい。従って、ヘンケル「生命の不可思議」の根本真理より再びアレニウスの「科学的宇宙観」に戻り、賢治の北方志向に着目して端典の自然科学史を語り、周知の事項を再確認したい。
宮沢賢治の造語等による臨時オノマトペは、その独自性、高い表現力によって知られているが、慣習的オノマトペによる独自の効果的な表現も多い。
突出して多いのは、基本的には二モーラを繰り返して継続を表す語を三回、四回使う(例ぐるぐるぐるぐる)ことによって、継続のみでなく、物の広がりを表したり、状態を強調したりすることである。加えて、二モーラに〈り〉、または撥音、または促音を加えて基本的には一回で表現するものを二回、三回と繰り返す場合(例ちらりちらり・ごとんごとん・きらっきらっ)、慣習的オノマトペの繰り返し(例ゆっくりゆっくり)、二モーラ二回の語尾に促音をつける場合(例きりきりっ)、促音、撥音を組み込む場合(例ハッハハ)等を主に表現効果、リズムの面から検証する。またそれが臨時オノマトペにどう繋がって行くのか明らかにしたい。
私は1997年に交通事故に遭ったのをきっかけに、その後5年間、体外離脱体験、動・鉱・植物界との一体化体験などのトランスパーソナルな意識体験(超個的体験)をした。そのような意識体験を通して、私は、賢治が『春と修羅』以降主張しつづけた、「或る心理学的な仕事」の意味を、はじめて理解できたと感じた。というのは、賢治がその作品で描いた意識体験と同様の体験を私はしたからである。たとえば、『銀河鉄道の夜』はジョバンニ少年が「ほんとうの天上」に赴くカムパネルラ少年と銀河列車に乗り旅するという話だが、私は同様の夢見を明晰夢のなかで体験した。多くの人はうさんくさい話だと思うだろう。しかし、同様の体験をトランスパーソナル心理学のセラピーの体験者、臨死体験者等がしているという事実はなにを物語るのであろうか?
私はこの事実は「人間は賢治の作品に描かれているような意識体験を持つことができる存在なのだということを、物語るものだ」と思う。もっとも、このことを理解していただくためには、大きな断層があり、それは私が知覚の扉とよぶ通常の意識状態とトランスパーソナルな意識状態の間にある認知上の断層である。その断層のために、超個的体験者でなければ、超個的体験者の言葉の意味を、正確に理解できないことになってしまう。とはいえ、私は、私の意識体験に基づく見解をすこしでも多くの人のご理解をいただけるように科学的文脈で、賢治の愛好者の皆様に伝えたいと思う。それは、賢治の作品の意図である「或る心理学的な仕事」の意味が、それによって明確になるからである。そこで、私は、賢治の知見が現代のトランスパーソナル心理学者たちの知見と一致する普遍的なレベルの見解であることを論証したい。
『春と修羅』第二集の詩「住居」の下書稿に、ベートーベン「第九」交響曲の第四楽章の歌詞の一部分が書かれている。そのことから、本発表では、「第九」がこの詩の生成に関係していると見て、それではどう関わったのか、ということを述べてみたい。
「住居」の下書稿(一)(二)の最後の二行「まばゆさよ/わたくしは走らう」は、その前の部分からの流れで読むと、あまりにも唐突であり飛躍しすぎる感がある。この部分は「第九」のテナー・ソロの部分「Foh, wie seine Sonnen Friegen・・・(駆けよ、太陽が喜びにあふれて、天の壮大な広野を翔りゆくように、駆けよ、兄弟たちよ、自らの道を、勝利に向う勇士のように、喜びをみなぎらせて!―拙試訳)」の影響が大きいと考えられる。しかし、それは、発表形では、「ひるもはだしで酒を呑み/眼をうるませたとしよりたち」と推敲される。それは、「農民芸術概論綱要」の「われらの前途は輝きながら剣峻である/剣峻のその度ごとに四次芸術は巨大と深さを加える・・・」や「第九」の「自然はわれわれに接吻と葡萄とを与える、また死の試練まで受けた友をも」のように、「剣峻」や「死の試練」を通ってこそ、はじめて「輝く前途」や「喜び」が得られる、という賢治の意識の表れだと思える。
現地の地形・風景を見て論ずることに逆らうつもりは全くないが、賢治の作品関連の地等についてそれと思われるあちこちの山野を尋ねてみると、納得すること疑問なことも。4〜50年前と現在でも相当に異なっているし、まして賢治の歩いた時代とあれば光も風も明るさも変化があったと発する。
植林後の放置と原野化したくま笹等による人間拒否状態の其山とは異なり当時は、牧野、採草地、製炭等による共存状態が伺えるし相当に見とうしの効く原野が多かったことは、その土地の古老の話からも伺える。よってレンズは季節と時間を選んで通うことに。
外山周辺を例にしても旧小友街道の一部はダムの湖底となり作品丹藤川(家長制度)の千葉家跡地付近は支流の紫沢川ぞいにある。その家を知ってる子孫の案内を得ることが出来たこともカメラの効果とローカル弁の効用でもある。
一般に「銀河鉄道の夜」の星祭を七夕と捉える傾向は強い。しかし、この星祭を自然の運行や農事の区切りの時期の満月の日である「中元(旧暦7月15日の地官の祭り、後に盂蘭盆と融合)」ととらえ、この二つの祭祀(中元と盂蘭盆会)を物語の組み込んだと考えることはできないだろうか。
中元とは地官赦罪大帝(地官)の祭りをいい、地官は人々を愛(慈悲)し、その罪を許す(贖罪)神として崇められており、苦境にあったジョバンニが民衆救済へと向かう決意とも共通する。しかもこの地官は父が人、母が竜王の娘という半人半獣(ケンタウルス)でもある。
また道教と星に関しては、汽車の進路が北十字から南十字への道程に関しては、道教に南斗は生を北斗は死を司るゆえ、人間は母親の胎内に宿ると誰もが北斗から南斗に向かうという話がある。そして、羅須地人協会の創立記念日が8月15日(旧暦の7月15日、盆の中日・中元)であることには何か意味があるのではないだろうか。
本発表は、童話「ビジテリアン大祭」(以下、「大祭」と記す)をディベート的観点から考察していこうとするものである。「大祭」は、これまで、以下に挙げる様々な側面から考察されている。それらは、宗教的観点等から考察する"思想的側面"、自然科学的観点から考察する"科学的側面"。そして、菜食主義観点から考察する"菜食主義的側面"である。
しかし、その中には、「大祭」の多くの部分を占める「議論」に着目し、それを一番の特徴とした考察は見当たらない。そのため、本発表では"議論的側面"に着目し考察していきたいと考える。その方法論として『ディベート』を用いる。同観点から見ていくと、どのように作品が見えてくるのか。「全国中学・高校ディベート選手権ルール」(1996年1月31日制定、2007年2月24日改定)をディベートの基礎資料としながら、その形式に沿って、「立論」から「判定」に至るまで、「ビジテリアン大祭」を考察していきたい。
賢治短歌を第一義的に、「伝記的資料」としてではなく、「文学」として読みたいというのが発表者の一貫した願いであり、本研究発表会においても、そうした趣旨に基づいた発表を続けている。また、このことの解明には、賢治短歌全般にわたる巨視的観点と個々の一首一首に沿った微視的観点とが必要であるが、本発表は、その前者に当たるものである。今回は、「青びとのながれ」を中心として、「歌稿〔A〕」には収められていて、「歌稿〔B〕」には収められなかった所謂「歌稿〔B〕脱落歌」に注目し、この「脱落歌」はどうしたものであったか、そのことから見える「歌稿〔A〕」と「歌稿〔B〕」との相違とは何か等を考察し、こうした点から「賢治歌稿」の意味するものについて明らかにしたい。
《宿泊のご案内》
花巻観光案内所・観光センターをご利用ください。市内のすべての宿泊施設をご案内いたします。
花巻観光案内所(花巻駅前) 電話/FAX 0198-24-1931
花巻観光センター(新花巻駅舎内) 電話/FAX 0198-31-2244
賢治際関連行事ご案内
9月20日(木)
◆花巻農業高校「賢治先生を偲ぶ会」 花巻農業高校賢治銅像前 午前9時〜
9月21日(金)
◆賢治の里で賢治作品を読む会 宮沢賢治イーハトーブ館 午後1時〜
◆賢治祭 花巻市桜町 雨ニモマケズ詩碑前(雨天時は南城小学校体育館) 午後5時〜