事務局だより

第106号 2011.08.22
宮沢賢治学会イーハトーブセンター事務局発行


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もくじ

事務局だより106号

事務局日誌

第22回定期大会プログラムのお知らせ

第21回宮沢賢治研究発表 発表者と発表要旨


宮沢賢治学会イーハトーブセンター 事務局だより 106号
2011年8月22日

 8月も半ばを過ぎましたが、花巻はまだまだ暑い日が続いております。

 来月は賢治祭をはじめ、各地で多くの催しが予定されております。本会の定期大会も例年どおり9月22日・23日に開催されますので、たくさんのご参加をお待ちしております。

 今回同封されております通知、チラシは次の通りですので、どうぞご確認ください。

  1. 事務局だより105号
  2. 2011年度総会招集について
  3. 第22回定期大会プログラムのお知らせ

 今回、本年度の会費(毎年4月〜翌年3月)につきまして、前年度分滞納の方、及び今年度未納の方に、事務局だよりとともに郵便振替の用紙を同封いたしました(納入済みの方には同封されておりません)ので、納入についてよろしくお願いいたします。同時に会費の受納は随時受け付けております。イーハトーブ館への来館のおり、または郵便局、銀行へお立ち寄りの際、お収めくださいますようよろしくお願いいたします。

郵便振替口座  02330=7=26637    岩手銀行花巻支店普通口座 0480908
名義 宮沢賢治学会イーハトーブセンター
会費年額 一般・3000円 学生・1500円
賛助会員・個人 一年一口1万円(何口でも可)
・団体 一年一口3万円(何口でも可) 小中学生無料

 このお知らせと行き違いにお支払い済の場合は、何とぞご容赦のほどお願いもうしあげます。また、会費に関するお問い合わせは、事務局までどうぞ。

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事務局日誌

 前回事務局だより(7・1)以降の理事会・委員会ごとの会務をお知らせします

◆企画委員会

7月 3日    第2回企画委員会&定期大会実行委員会
第22回定期大会、冬季セミナーについて

7月24日    第3回企画委員会&定期大会実行委員会
第22回定期大会、冬季セミナーについて

◆賞選考委員会

7月 3日     第2回賞選考委員会
第21回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞、第2次選考

◆学会主催・協力事業・事務局

7月10日     宮沢賢治イーハトーブ館企画展開催
高橋亭夫 雪と氷の造形写真展「雪と氷の造形美と温暖化」―賢治の視た氷霧―
(2012年5月31日まで)

おしらせ

  前号にて、来年度の地方セミナー開催地を募集いたしましたが、今年度(2012年3月まで)の開催地につきましても募集の対象といたします。定期的に研究会や読書会を行っている全国の賢治の会の皆さま、定例会とは少し違った催しをお考えでしたら事務局までお知らせください。

  開催基準、要項につきましては「地方セミナー開催地募集について」(前回の事務局だより105号同封)をご覧ください。よろしくお願いいたします。

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宮沢賢治学会イーハトーブセンター
第22回定期大会
プログラムのお知らせ

定期大会実行委員会

 来る9月22日23日の二日間にわたって、第22回定期大会が開催されます。 会員外の方でも参加できますので、どうぞお誘い合わせの上、おいでください。

9月22日[木]

会場…プラザ(東北本線花巻駅前)

■第21回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞贈呈式

主催/花巻市
選考経過報告、主催者あいさつ、受賞者あいさつ、記念講演

昼食販売のご案内

 会場で昼食(お弁当)の予約販売を行いますので、ご希望の方は9月20日までに本会事務局までお申し込みください。当日、受付の際に引換券をお渡しします。

 

 昼食会場は2階に用意しております。

■定期総会

報告

議事
@2010年度事業報告及び収支決算の承認について
A2011年度事業計画及び収支予算について

■賢治研究講演

宮沢賢治賞奨励賞受賞者
信時哲郎氏「社会主事 佐伯正氏」

前宮沢賢治イーハトーブ館館長
原 子朗氏「賢治の畑を外からも」

■被災地からの声  イーハトーブ・サロン【16:00 〜17:00】

 本会会員のなかから被災地の状況を現地からの声として報告いただき、復興支援に関するご意見を伺いながら出席会員と本会の活動について考えたいと思います。

■参加者交流・懇親会

 一日目の行事終了後、なはんプラザで、参加者の交流・懇親会を開催いたします。当日会場にて受付けいたします。 会費: 1000円  

 9月23日[金]

会場…宮沢賢治イーハトーブ館

■研究発表 【9:30 〜12:30 】

 発表者と発表要旨は裏面です。

■賢治ゆかりの地 見学ツアー(花巻市内)【13:30〜16:00】

 宮沢賢治・花巻市民の会のガイドで、賢治ゆかりの地をご案内いたします。ご希望の方は事前にお申し込みください。

宮沢賢治イーハトーブ館 出発(13:30) 〜  東北新幹線新花巻駅 解散(16:00)

定員: 40名

費用: 1000円(バス代)として

申込: 9月10日までに本会事務局まで(定員になり次第〆切)

《宿泊のご案内》

花巻観光案内所・観光センターをご利用ください。市内のすべての宿泊施設をご案内いたします。

花巻観光案内所(花巻駅前)
電話/FAX 0198−24−1931

花巻観光センター(新花巻駅舎内)
電話/FAX 0198−31−2244

賢治祭関連行事ご案内

9月21日(水)

◆賢治祭
花巻市桜町 雨ニモマケズ詩碑前(雨天時は南城小学校体育館) 16:30〜

◆舞台表現・賢治の里で賢治を読む会
宮沢賢治イーハトーブ館  13:00〜

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第21回宮沢賢治研究発表 発表者と発表要旨

※当日の発表順ではありません。

石島 崇男(いしじま たかお)

詩「習作」から「休息」への意識の流れ ― 松井須磨子初演の劇「カルメン」の位置 ―

 三篇の詩「永訣の朝」「松の針」「無声慟哭」は同じ日付を持ち、これらには賢治の連続する意識が流れていると誰もが考える。同様に、同じ日付で制作された詩の中には、連続する意識の流れがあると考えられるものがある。ここで取り上げる詩「習作」「休息」は、ともに(一九二二、五、一四)の日付を持っており、そこには連続する賢治の意識の流れがあると考えられるので、それがどういうものかを考察したい。

 詩「習作」には、松井須磨子が初演した劇「カルメン」の劇中歌が挿入されている。この劇に関する「常識」の誤りを当時の資料で明らかにしながら ― 原作に忠実でも、ビゼーの歌劇と同じでもない、オリジナルのテキストによる上演であること、松井須磨子の死後、中山歌子主演で北海道・東北で巡業上演した際に賢治が見たかも知れないというのは事実に反すること、など ― この「カルメン」が賢治の意識にどう影響したのかも考える。

宇佐美 怜子(うさみ れいこ)

「なめとこ山の熊」小考 ―なめとこ山の熊のことならおもしろい―

 「なめとこ山の熊」が語るものを考えるとき、冒頭の一文「なめとこ山の熊のことならおもしろい」が立ちはだかる。が素直に「熊たちは自分たちを殺す熊捕りを好き」というおもしろいことの紹介、物語の前提と読みたい。「どんぐりと山猫」では、異界の場は葉の先端が細く堅く尖る榧で守られる。賢治の木の用い方の卓越さに感服し「なめとこ山の熊」の植物を検討すると、「ひきざくら」を始め熊の食べ物が選ばれているのであった。子を産んだ母熊、懐妊中の熊、熊の父母の所へ生まれ変わるという山頂での祀り。生誕の、母子の、物語でもあろう。なぜ熊か。きささげ(黄色い花)をとった子熊は妹の生まれ変わりである。詩『風林』で「おまへはその巨きな木星のうへに居るのか」と呼びかけた賢治だが、更なる思いで妹を小熊座に直したと考える。物語の原点はここにあろう。時間の経過とともに熊に同化していく小十郎を描きながら、天にも地にも熊、重層する熊の物語は、冒頭の文が全体を表しているとも考え至るのである。

加藤 碵一(かとう ひろかず)

宮澤賢治の地的背景

  賢治が盛岡高等農林学校で学んだ地質学の専門的知見が、彼の作品世界に反映されていることは知られてきたが、具体的な検証はいまだ充分とはいえない。小倉豊文が、賢治の死後に病床周辺を整理したとき作成したとされる蔵書目録が堺忠一(1968)『評伝・宮澤賢治』(桜楓社)に転記されている。蔵書類は昭和20年の空襲で焼失してしまったため今となってはきわめて貴重な情報であるが、書籍名・著者名・出版社名などに誤りや欠落が散見され書誌として不正確で不十分である。その地質学・土壌学・地理学関係の蔵書について誤謬等を訂正し、当時の意義に若干の説明を付すと共に作品との関わりを幾つかの事例を通じて検討する。さらに『盛岡高等農林學校圖書館  和英書目録』より彼の在籍時及びそれ以前に刊行され、したがって賢治が学んだ可能性のある地質関連図書類を読み解き賢治と当時の地質関連情報を共有することを試み、同様に作品との関連性を検討する。

後藤 和彦(ごとう かずひこ)

宮沢賢治光の詩学―現代における宮沢賢治受容の一考察―

 日本における宮沢賢治の存在の大きさを示す指標として、賢治作品を受容し新たな作品世界の創成を試みた数多の後続詩人の現出を挙げることができる。生前はほぼ無名であり、詩壇の形成に与しなかった中でのそれは希少といえ、一方でその現象の深層には賢治の魅力への純粋な賛歌、驚異と崇敬がこめられているといえる。本発表では天沢退二郎氏、入沢康夫氏、原子朗氏、吉田文憲氏、吉本隆明氏、中村稔氏、谷川俊太郎氏、谷川雁氏ら戦後を代表する現代詩人への受容を考察し、現代詩の先鋭における賢治の存在の意味を明らかにする。続いて和合亮一氏、小笠原鳥類氏、カニエ・ナハ氏、大崎清夏氏、佐藤雄一氏、山田亮太氏ら近年活躍目覚ましい詩人における受容を考察し、新鋭と言われる世代において賢治受容の変化が兆していることを指摘する。そうして最後にその変化の意味を明らかにし、現代において賢治理解の新たな局面が訪れていることを指摘する。

藤原 浩(ふじわら ひろし)

樺太旅行で、賢治が見た(かもしれない)もの −行程研究および“植民地ツーリズム”論への試み−

 大正12年夏の賢治の樺太旅行は、彼の人生および文学に大きな足跡を残すとともに、当時の交通史、旅行史を照射する貴重な体験でもあった。また賢治の旅の3ヶ月前に就航したばかりの稚泊航路は、外地・樺太を内地と結びつけ、樺太に植民地(外地)旅行ブームをもたらす契機となった。賢治の旅は、まさに樺太旅行ブームの先駆けとして位置づけられよう。

  そのような視点から、賢治が実際にたどった行程を見つめ直し、推論を組み立てることで、旅のイメージをより視覚的に浮かび上がらせてみたいと思う。また同時代の旅行記やガイド、絵葉書などを参照することで、賢治が樺太で訪れたであろう場所についても、ある程度の推測が可能となる。そこから、妹トシの魂を追い続けたオホーツク挽歌群とは異なる、もうひとつの旅の姿が見えてくるのではないだろうか。

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