イーハトーブ館企画展示8

拡がりゆく賢治宇宙
「宮沢賢治をめぐる人々(花巻とその周辺)」

 
1996年7月1日〜1997年1月31日
「宮沢賢治をめぐる人々(花巻とその周辺)」展のご案内
山根 知子
主催
宮沢賢治生誕100年記念事業花巻市実行委員会
宮沢賢治学会イーハトーブセンター
宮沢賢治イーハトープ館

生きた婆を、より鮮明に

 宮沢賢治、37間の生涯は、盛岡に暮らした学生時代の9年間と、度々上京した時を除いて、その大半を、ここ花巻で送っています。

 賢治の豊かな才能と美しく時空を超えた作品世界、人間のあるべき姿を求めての純粋な求道生活こそが、現在なおも、読む人を魅了して止まないのです。この土地に住むものにはそこ此処に、賢治がイーハトーブと名付けた、岩手県や花巻のたまらない匂いが薫って来ます。

 そこで、賢治がこの花巻に暮らし、こんなにも、この地の大勢の人びととの交流があったことを示すのが新しい写真・資料などもふくめて今回の企画展示です。もっとも、賢治はとの特異な資質から、人間のみに限らずに、この地の森羅万象のことごとくを人に擬えて、作品に登場させたほどなので、交流した人やものを充分紹介できないことは承知しています。

 そしてまた、この展示で紹介する花巻の人たちとの接触や交際が、どのように賢治の生涯や創られた作品に影響を及ぼしたのかは、皆様に想像していただくより他ありません。

 この百年祭を機会に、これまで知られていた方々を紹介しましたが、まだまだ大切な方の名前を失念していると思います。お気付きのことがありましたなら、どんなことでも、イーハトーブ館にお知らせいただければ幸いです。

 とくにも、「野の教師」として活躍した羅須他人協会時代のことは、皆様からのご協力を、お願いするしかないようです。

お断り:詳しい内容は来春1月刊行予定の賓料集に槻載されます。 また今回の展示に際してはたくさんの方々の御協力をいただきましたがそのご紹介も資料集でさせていただきます。

展示の構成

  1. はじめに
  2. 賢治が育った花巻、豊沢町
    • 豊沢町は.城下花巻の玄関
    • 先覚者、佐藤庄五郎
    • 賢治が育った頃の花巻
    • 豊沢町は、ハイカラで文化の中心
  3. 宮澤家の人びと
    • 宮澤家は町政の中心
    • 父方一族
    • 母方一族
  4. 花巻川口尋常高等小学校(花城)のころ
    • 八木先生との出合い
    • クリスチャンの照井真臣乳先生と斎藤宗次郎との出合い
  5. 中学、高等農林、「稗貫郡土性図」調査のころ
    • 賢治と仏教、法華経との山会い
    • 「稗貫郡土性図」調査のころ
    • 萩原朔太郎の「月に吠える」との出会い
    • 国柱会へ、そして法華文学
  6. 稗貫農学校、花巻農学校教諭のころ
    • 先生、宮澤賢治
    • 藤原嘉藤治との出合い
    • トシの死去
    • 花巻農学校と校名変更
    • 農村に帰れ、「本統の百姓になる」
    • 国民高等学校で「農民芸術論」を講義
  7. 羅須地人協会のころ
    ―本統に働いている人なら誰でも―
    • 世界につながる地人のためにエスペラント語の学習
    • 働く人が必要としていることに応える活動
    • 第一回普通選挙を前に
    • 大島での助言、そして羅須地人協会の最期
    • 花壇設計、音楽、文芸
  8. 東北砕石工場と晩年のころ
    • いよいよ「あらたなるなやみのみち」実業
    • 「雨ニモマケズ」
    • 「遠野物語」の語り部、佐々木喜善との面談、他
    • 教え子への最後の手紙
  9. 「雨ニモマケズ」詩碑ガ建立されたころ
    • 「賢治碑」の建立
    • この地で賢治の志を継ぐものたち
    • 「四次元」の編集者
  10. おわりに