宮沢賢治学会春季セミナー

 
極東ビヂテリアン大祭〜宮沢賢治と温泉〜
期  日  2006年3月25日(土)・26日(日)
会  場  花巻温泉 千秋閣

25日(土)

  1. 受付   13:00〜
  2. シンポジウムT「リゾートとしてのイーハトーブ」
    • コーディネーター(進行) 岡村民夫(宮沢賢治学会理事)
    • パネリスト 佐々木民夫(岩手県立大学)菅野誠喜(岩手県立博物館)
  3. 花巻温泉「松雲閣」特別公開(最後のチャンス)
    • 案内 大原皓二(花巻温泉)
  4. 雑穀メニュー交流会
    • コーディネーター 中野由貴(宮沢賢治学会理事)
    • 講話 阿部羑子(金婚亭社長・花巻市観光協会理事)
    • 希望者による会費制

26日(日)

  1. シンポジウムU「ベジタリアン宮沢賢治 イーハトーブの豊かな雑穀文化」
    • コーディネーター阿部弥之(宮沢賢治学会理事)
    • 進行 木村信夫(『岩手の食事』企画・編集者)
    • パネリスト 鶴田 静(エッセイスト・菜食文化研究家)/安藤直美(岩手県二戸雑穀食堂「つぶっこまんま」代表)/仲條眞介(岩手県北農業研究所、やませ利用研究室主任研究員)

花巻温泉入口

バラ園内賢治詩碑

参加報告

 
セミナーに参加して

 今年の春季セミナーは夏に行われる「第三回宮沢賢治国際研究大会」のプレ企画として、「極東ビヂテリアン大祭〜宮沢賢治と温泉〜」と題して、場所も賢治ゆかりの花巻温泉で行われました。

 花巻温泉はちょうど賢治の晩年に、当時の岩手財界の実力者である金田一国士(きんだいち・くにお)などが中心となって作られた、当時としては珍しい本格的なリゾート施設です。今もほぼそのままの土地で、いくつかのホテルを一つの企業が経営するという独特のスタイルで続いています。

 賢治は山間に突然、資本の力で出現した、このリゾート施設のことを悪く書いたりしています。しかし建設にあたって、花壇作りに協力したりしていますので、必ずしも否定的には見ていなかったと思います。その花壇もバラ園になって、今もその場所にあります。

 当日は新花巻駅まで花巻温泉のバスが迎えに来てくれました。会場は花巻温泉に入って一番手前のホテル「千秋閣」です。一階ロビーは結婚式などの客で賑わっていましたが、私たちは二階の会場にあがります。

 最初の催しは「リゾートとしてのイーハトーブ」という題で、賢治と温泉に関する話題をとりあげたシンポジウムです。今では国際興業経営の花巻温泉というイメージですが、設立当初は宝塚に代表される、都会のリゾート施設をめざしていたということです。銀行、電力、電車などの当時の新鋭資本を一手に経営していた金田一国士の話は初めてで、興味深く聞きました。

 温泉の話題では、当時は混浴であり、賢治がこれを嫌がっていたかどうか、などという話も出ました。

 その後、夕刻にかけて、花巻温泉の大原氏の案内で、現在は閉鎖されている古い温泉旅館、「松雲閣」を見学しました。かつて天皇陛下も宿泊されたという、花巻温泉で一番由緒ある建物です。となりのバラ園に入って、ガラスでできた賢治の詩碑を見学したあと、釜淵の滝まで歩きました。雪解けの季節で滝の水量も多く、きれいでした。

 千秋閣に帰って、雑穀メニューで懇親会です。アワ、ヒエなどの雑穀がおいしい料理になって、たくさん出されていました。花巻空港の近くにある金婚亭という漬物・雑穀を中心としたレストラン・みやげ物店の社長である阿部さんが、漬物や雑穀を売ってきた苦労話などをしてくださいました。その後の会食では、「雑穀」というのは差別的な用語か?などという話題があり、楽しく食べ、かつ飲みました。

 翌日はその雑穀の話題を中心としたシンポジウムです。会場には雑穀の研究者である仲條さんが持ち込んだ雑穀についての資料が展示されています。安藤さんは雑穀メニューの食堂を二戸駅前で経営されている方です。岩手の食文化の話題などで盛り上がりました。

 温泉とおいしい食事に恵まれた、楽しい催しでした。どうもありがとうございました。


写真集

 

受け付け風景

松雲閣入口

釜淵の滝

懇親会風景

シンポジウム出席者

松雲閣内部見学