宮沢賢治学会夏季セミナー

 
宮沢賢治ホームページ
【主催】:宮沢賢治学会イーハトーブセンター
    :宮沢賢治イーハトーブ館
【日時】:2002年7月27日〜28日
【場所】:イーハトーブ館
【内容】:
1日
14:00 受付開始
14:00 萩原代表理事挨拶
13:35 講師紹介
14:00 講演「電子メディアと宮沢賢治」信時哲郎氏
15:30 ワークショップ「へぇー、デジタル化ってこうなのか」
17:00 講演会終了
17:30 宮沢賢治をたべる会
18:30 閉会
26日
10:00 シンポジウム「インターネットのなかの宮沢賢治」
遠藤 純(司会)、安倍富士夫、小田島 貢、川崎 貴、浜垣誠司
12:30 シンポジウム終了

萩原代表理事

杉浦理事

参加報告


セミナーに参加して

 今年の夏季セミナーは「宮沢賢治ホームページ」と題してインターネットと 宮沢賢治について考えるのがテーマです。

 会場でインターネットを閲覧できるようにするにはどうすればよいか? というのが事前の準備の課題でした。

 イーハトーブ館は花巻市郊外の胡四王山の麓にあります。今はやりの ADSLや光ファイバーなどの高速回線は残念ながら届いていません。 それどころかPHSの64キロバイト通信もできません。

 幸い、イーハトーブ館の事務所には花巻市のサーバーにつながっている パソコンがありましたので、それをセミナーの会場に持ってくることになりました。

 講演者が使うためのノートパソコンとスクリーンに投影するプロジェクターを 業者から借りて、司会者席にはイーハトーブ館のパソコンを置き、準備完了となりました。

 ノートパソコンはインターネットとつながっていないので、あらかじめCD-Rなどで 紹介するページを入れておきます。インターネットの紹介のときは司会者席から イーハトーブ館のパソコンを操作するという作戦です。

 こうして無事、セミナーの準備が整いました。一日目の日程終了後は 「宮沢賢治を食べる会」があり、北上パークホテルのシェフの協力を得て 美味しい料理をいただきました。

 目玉は「藁のオムレツ」と「六寸ほどのステーキ」ちょっと風が強いなか、 シェフの実演でできたてをいただきました。

 それから参加者による「カリメラ」つくり。これはうまくいかなかったので、 シェフが改めて挑戦してくれました。

 こどものころを思い出してなつかしい企画でした。

 二日目は宮沢賢治に関するホームページを運営している人たちによる シンポジウム。それぞれに個性的なホームページを紹介していただきました。

 今、宮沢賢治という人が生きていたら、きっとインターネットを使って 作品を発表していたのだろうな、と思った催しでした。


講演紹介

 
「電子メディアと宮沢賢治」
信時哲郎氏

 宮沢賢治が「春と修羅・第二集」を謄写版で出版しようとしていたという話があります。 謄写版刷りの「アザリア」から出発して、活版印刷の「春と修羅」を出版した賢治が、 謄写版に戻ろうとしたのはなぜか?また賢治はどうして劇や音楽にこだわったのか? 賢治が追求したのはメディアの直接性ではないのかというのが話の中心だったと思います。  印刷の発展、放送メディアなど、一部の特権的なものが独占するメディアの世界ですが、 インターネットに代表される電子メディアは、誰もが発信者になれるという 非常に原始的なところのあるメディアです。  賢治の目指したのはいまのインターネットのようなメディアではなかったか? という問いかけだったように思います。

◆講演者の紹介◆

信時哲郎氏 神戸山手大学助教授。

近代文学ページで 宮沢賢治をはじめ近代文学についてのいろいろな情報を発表されています。

なかでも宮沢賢治に関する文献を網羅した「宮沢賢治研究文献目録」はたいへん貴重なものです。



ワークショップ「へぇー、デジタル化ってこうなのか」

 まずは杉浦静さんが文語詩「月のほのををかたむけて」の逐次稿を紹介しながら、 その変遷をたどります。原稿の画像をスクリーンに映しておこなう講演は分かりやすく、 迫力がありました。画像は宮沢賢治記念館が所持しているデジタル画像からとったものです。 どんどん変っていく詩を追いながら、賢治の詩作の秘密をかいま見る気がしました。

 宮沢賢治記念館には賢治の原稿すべてがデジタル化されて保管されているようです。 インターネットを通じてこれらの画像が公開されることを願っていますということばが 印象的でした。

 後半は宮沢賢治学会のホームページを中心に、インターネットツアー。翌日のシンポジウムに 参加される方のページ以外にもたくさんのページを紹介しました。

◆講演者の紹介◆

杉浦静氏 大妻女子短期大学教授。宮沢賢治学会理事。

今回のセミナーの企画を担当されました。新校本全集の編集なども担当された 宮沢賢治研究の専門家です。原稿画像の公開はぜひ花巻市の同意を得て、 宮沢賢治学会のサイトでやってほしいものですね。


シンポジウム紹介

 
シンポジウム「インターネットのなかの宮沢賢治」
遠藤 純(司会)、安倍富士夫、小田島 貢、川崎 貴、浜垣誠司

 短い時間でしたが、それぞれのホームページを紹介し、作成や運営の苦労話をうかがいました。

 安倍さんは盛岡白百合学園高校の英語の先生。インターネット授業など、ホームページ以外にも いろいろな活動をされています。

 小田島さんは花巻の一級建築士。花巻の非常に詳しい観光・樹木・建物の案内サイトを運営されています。

 川崎さんは唯一の女性で、「神戸賢治の会」のページを一人で運営されています。

 浜垣さんは京都のお医者さん。賢治の詩がどのように変遷していったのかをたどれるサイトをつくりました。 また「詩碑」のページでは全国の賢治詩碑も写真つきで紹介しています。

 このような個人の活動が、個人の範囲を超えてみんなの情報になっていくのがインターネットの よいところなのでしょう。

◆講演者の紹介◆


会場風景