宮沢賢治学会地方セミナー in 戸隠

 
もえろまわれ ひとのまつり
もえろかわれ ひとのれきし

【主催】:宮沢賢治学会
【主管】:ものがたり文化の会
【後援】:長野県教育委員会・長野市教育委員会・信濃毎日新聞社
【日時】:2001年8月25日〜26日
【場所】:長野県戸隠村 戸隠神社中社・宿坊「極意」
【内容】:
25日
12:30 受付開始
13:30 萩原代表理事挨拶
13:35 講師紹介
13:40 講演「宮沢賢治という身体」斉藤 孝氏
15:40 講演「風土の中の宮沢賢治」赤坂憲雄氏
17:30 講演会終了
18:30 夕食
19:00 ものがたり文化の会の練習見学
20:30 交流会
22:30 就寝
26日
06:00 起床
06:30 戸隠神社太々神楽見学
08:00 朝食
09:00 「洞熊学校を卒業した三人」見学(体育館)
12:00 昼食
13:30 シンポジウム「いま、こどもたちは賢治と遊べるか」
伊佐智史(司会)、萩原昌好、鹿川博司、田代光子、根元千絵、伴 武彦
15:30 シンポジウム終了

会場玄関

代表理事挨拶

参加報告

 
セミナーに参加して

 「ものがたり文化の会」というものがありまして、毎年、戸隠で 合宿している、という噂を聞いたことがあったのですが、今回の地 方セミナーは、その合宿とのタイアップでした。

 この会は、故谷川雁さんの主催した団体で、子供たち(といって も結構大きいです)に宮沢賢治の作品を通じた身体表現を、という ことで、「人体交響曲」という表現活動をしている団体です。

 全国に教室(パーティー)があり、そこで活動している子供たち を戸隠に集め、合宿していました。

 講演の方は「賢治という身体」の斉藤さんと、「東北学」の赤坂 さん。お二人のキャラクターが対照的で、おもしろかったです。

 斉藤さんは身体論、教育学、といった方面で、明るく軽い口調で したが、赤坂さんはいかにも昔風の学者さん、という感じ。

 私としては、内容にはいろいろと疑問もあるのですが、面白い話 ではあったと思います。

 会場は戸隠神社の宿坊。茅葺きの大きな建物で、大広間の奥には いかめしい神棚が鎮座している、というところ。一泊した朝には、 6時に起きて戸隠中社に参拝し、神楽を見せていただきました。

 神楽はかわいい女の子も出てきましたが、主に神官が踊る格式ば った雰囲気のもので、昨年、花巻で見せてもらった神楽とは、ずい ぶん違うものでした。もちろん、私としては、花巻の方が良かった です。

 朝食後、体育館で行われる、「ものがたり文化の会」の発表会を 見学。

 今年の主題は「洞熊学校を卒業した三人」です。全部で4つのグ ループにわかれ、前半と後半に分けて、この話を2回、それぞれの やり方で身体表現として見せてくれました。

 小学生からハイティーンまで、男女取り合わせて100人くらい が、それぞれの表現を見せてくれました。

 予想していたよりもレベルは高かったように思います。しっかり した子供たちだと思いましたが、俗世間ではきっと大変だろうなあ、 などとつい思ってしまいます。

 昼食後、シンポジウムが行われました。午前中に発表した子供た ちもたくさん参加していて盛況でしたが、私は電車の都合で途中で 失礼しました。


講演紹介

 
「宮沢賢治という身体」斉藤 孝氏

 話者は「賢治という身体」という本の著者。賢治が晩年まで、鉄を鍛える ように、勉学を志したことを、「技法の完成」をめざした、という観点を 示します。

 深い知識と身体の技法とが矛盾せず、想像力を自力で呼び出す技術となる、というお話でした。

 サービスとして?「臍下丹田」に力をこめる呼吸法を全員が立って、 教えてもらいました。

◆講演者から一言◆

 宮沢賢治は、世界や宇宙と響きあう独自の身体の技を持っていた。 生来の資質に加えて、世界を深く感受するアンテナとして、自分の身体技法を 磨き続けた。とくに地水火風に関わる想像力は、宮沢賢治という身体の 独自性を際立たせるものだ。彼の身体技法は、演劇的な想像力とも通じている。 身体感覚と想像力の深い関係にづいて具体的に語りたい。

◆講演者の紹介◆

 1960年静岡に生まれる。東京大学法学部卒業、専攻:教育方法、身体論  現在:明治大学文学部助教授 著書「宮沢賢治という身体」(宮沢賢治賞奨励賞) 「身体感覚を取り戻す」(新潮学芸賞受賞)

 
「風土の中の宮沢賢治」赤坂憲雄氏

 賢治の育った岩手の風土を考察し、「飢餓(ケガチ)」の風土に いかにして立ち向かったかを考えます。

 「注文の多い料理店」の諸作をはじめ、次々と童話を紹介し、賢治が 自分の作品に、「東北の原像」を込めて書いた、と主張します。

 しかも、それが単なるノスタルジーとしてではなく、未来への 希望として書かれている、ということでした。

◆講演者から一言◆

 かつて、山形が生んだ野の詩人・真壁仁は、賢治を取り巻いていた 「飢餓(ケガチ)の風土」について論じた。賢治がそのなかに生きて、 戦いつづけた東北の風土とは何か。それはたぶん、縄文以来の一万年の時間を 抱いた東北であり、ブナの森を背にした東北である。そこにはつねに、 ケガチの不安が影を落としている。賢治をそうした風土に還元することは できない。しかし、その風土を知らずして賢治を語ることもできない。

◆講演者の紹介◆

 1953年東京都に生まれる。東京大学文学部卒業。専攻:民俗学・ 東北文化論 現在:東北芸術大学教授・同東北文化センター所長  著書「異人論序説」「柳田国男の発生」三部作「東北学へ」三部作 「東西/南北考」吉田文憲氏との共著で「注文の多い料理店考」

行事紹介

 
長野の風景

「又三郎薬局」

オリンピックの表彰台
(今は駐車場)

善光寺

蕎麦の花

会場の風景

会場「極意」

会場全景

受け付け

客席風景

朝の戸隠神社

交流会

「洞熊学校を卒業した三人」

客席のみなさん

発表会その1

発表会その2

シンポジウムに参加した子供たち