宮沢賢治学会イーハトーブセンター沿革

1990年 ▼ 4月22日、発起人が花巻市に集まり、設立趣意書と規約の起草を行うとともに、会の名称を「宮沢賢治学会イーハトーブセンター」と決定。この名称には、「ここを賢治宇宙・賢治の精神の探究の最先端をになう場としたい」という思いとともに、「しかも同時に、単に研究者ばかりでなく、賢治の人と作品に関心のあるすべての人が自由に平等に交流でき、また利用できる開かれた《広場》、かつ《情報センター》にしたいという願いがこめられた」(「設立総会議案書」より)。
▼ 9月22日、宮沢賢治学会イーハトーブセンター設立総会を花巻市文化会館で開催し、入沢康夫を初代代表理事に選出。創立時の会員数は、個人会員1,160名、賛助会員16名および6団体の計1,182名で、このうち600名あまりが、設立総会に出席。
▼ 同日、『宮沢賢治学会イーハトーブセンター会報』創刊号を刊行。『会報』は、以後毎年2回発行され、会員相互の親睦をはかりつつ様々なニュース・エッセイ・資料・創作等を掲載。
▼ 12月1~2日、第1回宮沢賢治冬季セミナーを、花巻市文化会館で開催し、2日とも約200名が参加。この冬季セミナーは、従来から宮沢賢治記念館で開催されていた「賢治研究冬季講座」を、当センターが発展的に継承して実施するもので、この後毎年冬季セミナーと春季セミナーを開催。
▼ 12月27日、「事務局だより」第1号を発行。この後「事務局だより」は、会員に対するきめ細かな情報伝達の媒体として、年に数回発行。

1991年 ▼ 9月22日、第1回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞贈呈式、および第2回宮沢賢治学会イーハトーブセンター定期総会を、花巻市文化会館で開催。
▼ 9月23日、第1回宮沢賢治研究発表会を、花巻市文化会館で開催。本研究発表会は、翌年から宮沢賢治イーハトーブ館に会場を移して毎年開催。

1992年 ▼ 3月29日、第1回地方セミナーとして、宮沢賢治学会京都セミナーを京都市の大谷大学で開催。以後地方セミナーは、北は北海道から西は広島県福山まで、全国各地で開催。
▼ 3月31日、宮沢賢治学会イーハトーブセンター機関誌『宮沢賢治研究Annual』創刊号を刊行。この機関誌『Annual』は、宮沢賢治に関する資料を網羅的に集積する「ビブリオグラフィー」と、最新の研究論文等を毎年掲載する当センターの中心的媒体として、以後年1回刊行。
▼ 8月、宮沢賢治学会セミナーの新たな形態として、一つのテーマをシリーズで追究する「夏季特設セミナー」を開始。
▼ 9月22日、宮沢賢治賞・イーハトーブ賞のそれぞれに関し、今後のさらなる発展が期待される個人や団体を対象とした「奨励賞」を新設し贈呈。
▼ 10月10日、宮沢賢治学会イーハトーブセンターの拠点として、花巻市高松の胡四王山の山裾に、宮沢賢治イーハトーブ館が開館。
▼ 同時に同館にて、第1回企画展示「宮沢賢治初期刊本展」を開始。同館における企画展示は、この後も当センターの企画により、ほぼ常時実施。

1994年 ▼ 9月22日、第5回定期総会において、原子朗を第二代代表理事に選出。

1995年 ▼ 3月22日より、宮沢賢治イーハトーブ館の入場料を無料化。

1996年 ▼ 8月27日~29日、宮沢賢治生誕百年記念事業として、「世界に拡がる宮沢賢治」をテーマに、第1回宮沢賢治国際研究大会を花巻市文化会館で開催。海外からは、アメリカ、インド、インドネシア、オーストラリア、韓国、チェコ、中国、ドイツ、ネパール、フランス、ロシアの11か国から宮沢賢治研究者を迎え、参加者はのべ3,000人。
▼ 8月31日、東京都の有楽町マリオン朝日ホールで、宮沢賢治国際講演会を開催。
▼ 9月、会員数は個人会員3,059名、賛助会員35名の、計3,094名となり、現在までの最多を記録。
 [生誕100年 関連イベント・出版多数]

1998年 ▼ 9月22日、第9回定期総会において、力丸光雄を第三代代表理事に選出。

1999年 ▼「電子データベースライブラリー研究委員会」を新設し、その下に「データベース部会」と「インターネット部会」を設置。

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2000年 ▼ 研究組織としての上記委員会を、正式の「電子データベースライブラリー委員会」とし、本格的活動を開始。
▼ 7月21日、同委員会インターネット部会が中心となって、当センターのウェブサイトを開設。
▼ 8月26日~27日、花巻市のNAHANプラザおよびホテルグランシェール花巻を会場として、「宮沢賢治―多文化の交流する場所(トポス)」をテーマに、第2回宮沢賢治国際研究大会を開催。海外からは、インド、オーストラリア、韓国、中国、フランス、ポーランドから宮沢賢治研究者を迎え、参加者は1日目350名、2日目のべ1,050人。
▼ 9月22日、第11回定期総会において、萩原昌好を第四代代表理事に選出。

2001年 ▼ 6月29日、宮沢賢治記念会との共催で、ホテルグランシェール花巻において「宮沢清六氏を偲ぶ会」を開催。
▼ 8月23日から4回にわたり、花巻市教育委員会との共催で、市内の幼稚園と小中学校において、出張講座「風のセミナー」を開催。参加者は計5,764名。「風のセミナー」は、この後2009年まで毎年夏季に開催。
 [宮沢清六氏逝去(6月12日)]

2002年 ▼ 規約改正により、小中学生の会費を無料化。
▼ 4月22日、これまで試験的に運用してきた当センターのウェブサイトに独自ドメインを取得し、公式ウェブサイトとして発足。電子データベースライブラリー委員会を「電子メディア委員会」と改称し、以後はウェブサイトの運営管理を担当。

2003年 ▼ 5月~11月、小中学生を対象とした「風のワークショップ」事業が花巻市で予算化され、当センターも協力してこの間に4回のワークショップを開催。「風のワークショップ」は、この後2009年まで開催。

2004年 ▼ 9月22日、第15回定期総会において、天沢退二郎を第五代代表理事に選出。
▼ 宮沢賢治ビブリオグラフィーのデジタル化作業を、会員ボランティアによって進めていたが、その一部のウェブサイト上における公開を開始。

2006年 ▼ 宮沢賢治直筆原稿のCD-ROM副本が、宮沢賢治イーハトーブ館に管理委任。(正本は宮沢賢治記念館で管理)
▼ 8月24日~25日、「宮沢賢治―驚異の想像力 その源泉と多様性」をテーマに、花巻市文化会館・NAHANプラザ・ホテルグランシェール花巻を会場として、第3回宮沢賢治国際研究大会を開催。海外からは、アメリカ、中国、フランス、ポーランド、ポルトガル、ロシアから宮沢賢治研究者を迎え、総参加人数は2,460名。
 [生誕110年/花巻市合併(石鳥谷町、大迫町、東和町)]

2007年 ▼ 2006年度から行ってきたプロジェクト「羅須地人協会建物調査」を7月に終了し、12月の冬季セミナーで成果を報告。
▼ 9月、これまで理事会の推薦と総会での承認によって新理事を決めていたが、会員による選挙を導入して選出するよう理事改選規約を改正し、翌年より実施。
▼ 新規プロジェクト「宮沢賢治原稿生成論研究調査」を開始。

2008年 ▼ 9月22日、第19回定期総会において、杉浦静を第六代代表理事に選出。

2009年 ▼ 2006年度から行ってきたプロジェクト「花巻方言音声資料収集」を9月に終了し、宮沢賢治・花巻市民の会と協同で、研究記録『うずのしゅげ』を刊行。

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2011年 ▼ 3月11日に発生した東日本大震災の被害により、宮沢賢治イーハトーブ館は3月末まで休館し、4月1日より再開。
▼ 発災からまもなく、宮沢賢治学会イーハトーブセンターの公式ウェブサイトに「イーハトーブ東日本大震災専用掲示板」を立ち上げ、被災地内外の情報交換に提供。
▼ 4月20日、理事会は「イーハトーブ復興支援義援金」を募ることを決定し、全国の会員からの募金活動を開始。プロジェクト「宮沢賢治原稿生成論研究調査」は中断し、予算を震災復興支援に振り向け。
▼ 11月、これまで年に3~4回発行してきた「事務局だより」を「イーハトーブセンターだより」と改称して、内容を拡充。
 [東日本大震災(3月11日)]

2012年 ▼ 2月14日~15日、「イーハトーブ復興支援義援金」に基づく「第1回寄贈キャラバン」として、当センターの派遣団が岩手県沿岸部を北部から南下し、被災地の小中学校および公立図書館14か所を巡回して、宮沢賢治の図書を寄贈。キャラバンには、宮沢賢治・花巻市民の会のボランティアも同行し、賢治童話や方言詩の〈読み聞かせ〉を行い、子供たちと交流。
▼ 3月7日、「イーハトーブ復興支援義援金」の募集を終了。313名の個人と32の団体から寄せられた募金は計3,832,391円で、上記の宮沢賢治の図書寄贈に充当。
▼ 4月、当センター公式ウェブサイトをリニューアルし、機関誌バックナンバーや過去の受賞者一覧等を掲載。
▼ 9月22日、第23回定期総会において、栗原敦を第七代代表理事に選出。

2014年 ▼ TwitterとFacebookの公式アカウントを開設し、SNSを通じた情報発信を開始。

2015年  [宮沢賢治記念館リニューアルオープン(4月)]

2016年 ▼ 8月27日~29日、宮沢賢治生誕120周年を記念し、「イーハトーブは今どこにあるのか」をテーマに、花巻市のなはんプラザ・ホテルグランシェール花巻を会場として、第4回宮沢賢治国際研究大会を開催。海外からは、アメリカ、イラン、インド、オーストラリア、韓国、台湾、中国、ポーランドから宮沢賢治研究者を迎え、参加者は1日目300名、2日目230名、3日目53名。
▼ 9月22日、宮沢賢治の存在と作品に触発されて多年に渉り様々な普及や研究活動を重ねてきた、個人または団体をより幅広く顕彰するために、当センターの主催による「宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞」を創設し、第1回の贈呈式を開催。
▼ 同日、第27回定期総会において、富山英俊を第八代代表理事に選出。
 [生誕120年 関連イベント多数]

2018年 ▼ 3月24日~25日、宮沢賢治の盛岡高等農林学校卒業100周年を記念し、岩手大学宮澤賢治センターおよび岩手大学農学部附属農業教育資料館との共催で、春季セミナー「賢治とイーハトーブの樹木たち・フィールド編」「イーハトーブの学び舎から」を開催。
▼ 9月22日、第29回定期総会において、安藤恭子を第九代代表理事に選出。
▼ 10月、ホームページ委員会を設置し、公式ウェブサイトリニューアルの準備を開始。

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2020年 ▼ 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、宮沢賢治イーハトーブ館は3月より閉館し、6月1日に再開。
▼ 5月に予定していた春季セミナーと、8月に予定していた夏季セミナーは、いずれも順延。
▼ 9月22日、宮沢賢治賞・イーハトーブ賞、および宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞の贈呈式を、出席者20名に限定して、花巻市のなはんプラザで開催。
▼ 9月23日に予定されていた「宮沢賢治研究発表会」は中止。
▼ 理事会は、11月14日にZoomによるオンライン形式で行い、以後しばらくはこの形態が継続。
▼ 12月18日、定期総会を「文書協議」の形式で実施し、岡村民夫を第十代代表理事に、選出。
 [3月頃から新型コロナウイルス蔓延]

2021年 ▼ 8月7日、夏季セミナー「宮沢賢治とオノマトペ」を、宮沢賢治イーハトーブ館(80名限定)における対面講演と、YouTubeのライブ配信という、ハイブリッド形式で実施。
▼ 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、宮沢賢治イーハトーブ館は8月14日より閉館し、9月25日に再開。
▼ 9月21日、公式ウェブサイトをリニューアルし、セキュリティ認証とスマートフォン表示に対応するとともに、広報機能と資料集積機能を拡充。
▼ 9月23日、「第30回宮沢賢治研究発表会」を、Zoomによるウェビナー形式で開催。

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※ 凡例
毎年開催の催事・刊行本等の記載は原則初回時のものにとどめています。詳細はリンク先のアーカイヴを参照下さい。

宮沢賢治学会イーハトーブセンター設立の経緯

 宮沢賢治は亡くなった1933(昭和8)年にはまだ世に知れた存在ではありませんでしたが、その活動期からほぼ百年が経過した現在、日本国内はもとより国際的にも知られた存在になりました。その間に賢治の愛好者や研究者の数はたいへん増加しました。
 これらの人々の意を受け、賢治の没後50年の1982(昭和57)年に出身地である花巻市に宮沢賢治記念館が開館しました。また当時の「ふるさと創生事業」を期に、賢治の賞と学会が欲しいと言う市民の意向を反映し、宮沢賢治学会イーハトーブセンターが設立されたのはそれから8年後の1990(平成2)年のことでした。

片方には《ふるさと創生資金》の真に有意義な活用法をみつけようという花巻市民の模索があり、もう一方には相互理解・討議・研究・資料探索のための「広場」「センタ-」がほしいという賢治研究家・愛好者の多年にわたる夢があって、その両者が幸運な合致点を見出したことから、この「宮沢賢治学会イーハトーブセンター」の設立が発起されました。

 これは初代代表理事入澤康夫の設立時挨拶の冒頭部分です。賢治の代表作の一つ「ポラーノの広場」が示す「広場」という概念と新しいセンターの存在とが関連づけられ提示されています。これは、本ホームページトップページに示されたコピーにも関連します。

 宮沢賢治学会イーハトーブセンターは、賢治研究の最先端をになう場所であるとともに、単に研究者ばかりでなく、賢治の人と作品に関心のあるすべての人が自由に平等に交流でき、また利用できる開かれた広場かつ情報センターです。この学会は当初、宮沢賢治記念館を利用して事業を行ってきましたが、学会の事業に本格的に対応できる設備・機能を備えた施設の整備が要望されるところとなり、「宮沢賢治イーハトーブ館」の建設が計画され1992(平成4)年10月に開館しました。

 宮沢賢治イーハトーブ館は、賢治を一層深く理解するため、宮沢賢治に関するさまざまな分野の作品や研究論文をできるだけ収集し、わかりやすく整理するとともに公開し、市民をはじめ学会の会員や全国の誰でもが自由に利用できるようにするという目的で建設されたものです。賢治の原稿や遺品などを扱う宮沢賢治記念館と機能が分担されています。

 また賢治の名に基づく褒賞として、1991(平成3)年から、宮沢賢治賞、イーハトーブ賞を設立し業績をあげた個人及び団体を表彰する事業も展開しています。また2016(平成28)年からは宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞が加わりました。

 2020(令和2)年で、活動は満30年を迎えました。

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