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宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞

【会員向け】第8回宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞 推薦のお願い【受付終了】

会員各位

宮沢賢治学会イーハトーブセンター
代表理事 大沢 正善
賞選考委員長 浜垣 誠司

 宮沢賢治学会イーハトーブセンターでは、2023年度「第8回宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞」の候補者の推薦を、ページ下部のボタンから表示される専用フォームにて、会員の皆様から受け付けております。
 推薦の締め切りは、2023年4月30日です。

 2016年度に創設された「宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞」は、花巻市が主催する「宮沢賢治賞・イーハトーブ賞」とは別に、当センターが独自に設けた賞です。宮沢賢治とその作品に触発された研究活動ならびに普及において、多年にわたる功績のある個人または団体を、広く対象としています。
 ご推薦いただいた全ての候補者は、当センターの賞選考委員会において、厳正な審査の対象とさせていただきます。

 本年も、会員の皆様からの幅広いご推薦を、お願い申し上げます。

【主催者】 宮沢賢治学会イーハトーブセンター
【選考】 宮沢賢治学会イーハトーブセンター賞選考委員会
【選考方法】 会員から推薦された個人・団体を、選考委員会にて選考し、理事会が決定する。
【選考対象 および基準】 宮沢賢治の人と作品や精神の普及または研究の推進に寄与する活動(花巻市が主催するイーハトーブ賞の基準となる実践的な活動を除く)を行っている個人または愛好団体・研究団体等の団体。
【表彰式】 定期大会において、代表理事が賞状および副賞を授与する。
推薦用件
推薦方法

 下のボタンを押すと表示される専用フォームに入力していただくか、当センターから会員のお手元に郵送される「推薦票」に記入して返送して下さい。

宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞 推薦フォーム

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宮沢賢治賞・イーハトーブ賞

【会員向け】第33回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞 推薦のお願い【受付終了】

会員各位

宮沢賢治学会イーハトーブセンター
代表理事 大沢 正善
賞選考委員長 浜垣 誠司

 宮沢賢治学会イーハトーブセンターでは、2023年度「第33回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞」の候補者の推薦を、ページ下部のボタンから表示される専用フォームにて、会員の皆様から受け付けております。
 本年も、宮沢賢治の名において顕彰するにふさわしい様々な活動に関する情報を、広くお寄せいただきますようお願い申し上げます。締め切りは、2023年4月30日です。

 ご推薦いただいた全ての候補者は、当センターの賞選考委員会において、厳正な審査の対象とさせていただきます。

「宮沢賢治賞」について

 「宮沢賢治賞」は、宮沢賢治に関する優れた研究・評論・創作などを毎年顕彰するために、花巻市が1991年に創設した賞です。
 その選考は、宮沢賢治学会イーハトーブセンターに委嘱されています。
 本賞に準ずるものとして、「奨励賞」も設けられています。

 毎年9月22日の宮沢賢治学会イーハトーブセンター定期大会において、授賞式と記念講演が行われます。

【主催者】 花 巻 市
【選 考】 宮沢賢治学会イーハトーブセンター
【選考方法】 会員からの推薦(所定の用紙)にもとづき、賞選考委員会が選考し、理事会の承認を経て花巻市長に答申する。
【選考対象及び基準】 宮沢賢治の名において顕彰されるにふさわしい研究・評論・創作など。おおむね過去3年以内に発表されたものを対象とする。なお、本賞に準ずるものとして奨励賞を置く。
【贈賞式】 宮沢賢治学会イーハトーブセンターの総会の同日・同会場において行う。
【賞・賞金】 本 賞 賞状、正賞、副賞(百万円)。
奨励賞 賞状、記念品、副賞(三十万円)。
「イーハトーブ賞」について

 「イーハトーブ賞」は、宮沢賢治の精神を体現する優れた実践的な活動を毎年顕彰するために、1991年に花巻市が創設した賞です。
 その選考は、宮沢賢治学会イーハトーブセンターに委嘱されています。
 本賞に準ずるものとして、「奨励賞」も設けられています。

 毎年9月22日の宮沢賢治学会イーハトーブセンター定期大会において、授賞式と記念講演が行われます。

【主催者】 花 巻 市
【選 考】 宮沢賢治学会イーハトーブセンター
【選考方法】 会員からの推薦(所定の用紙)にもとづき、賞選考委員会が選考し、理事会の承認を経て花巻市長に答申する。
【選考対象及び基準】 宮沢賢治の名において顕彰されるにふさわしい実践的な活動を行った個人または団体。なお、本賞に準ずるものとして奨励賞を置く。
【贈賞式】 宮沢賢治学会イーハトーブセンターの総会の同日・同会場において行う。
【賞・賞金】 本 賞 賞状、正賞、副賞(百万円)。
奨励賞 賞状、記念品、副賞(三十万円)。
推薦要件
  • 推薦対象の業績および刊行物は、2023年3月31日までのものといたします。
  • 現職理事は、授賞の対象から除外いたします。
  • 自薦は認めません。
  • 推薦の締め切りは、2023年4月30日です。
  • 過去の受賞者については、「宮沢賢治賞・イーハトーブ賞受賞者一覧」のページをご参照下さい。
推薦方法

 下のボタンを押すと表示される専用フォームに入力していただくか、当センターから会員のお手元に郵送される「推薦票」に記入して返送して下さい。

宮沢賢治賞・イーハトーブ賞 推薦フォーム

 

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地方セミナー

3月21日に地方セミナーin大阪「日本児童文学が宮沢賢治から受け取ったもの」を開催します

 3月21日(火・祝)に、宮沢賢治学会地方セミナーとして、「日本児童文学が宮沢賢治から受け取ったもの」を開催いたします。
 参加をご希望の方は、下の「参加申込み」ボタンを押して、チケットを申し込んで下さい。

 宮沢賢治と児童文学に関心のある皆さんの、多くのご参加をお待ちしています。


日時: 3月21日(火・祝) 13:30~16:15
会場: 大阪府立中央図書館 ライティホール(東大阪市荒本北1-2-1・近鉄けいはんな線荒本駅 北西400m)
対象: 子どもの本に関心のある方ならどなたでも(定員300名・申込先着順)
参加費: 無料
主催: 宮沢賢治学会イーハトーブセンター 日本児童文学学会関西例会 一般財団法人 大阪国際児童文学振興財団


参加ご希望の方は、下のボタンを押して、チケットを申し込んで下さい。
参加申込み

会場地図

講演と対談「日本児童文学が宮沢賢治から受け取ったもの」

 日本児童文学には、安房直子、あまんきみこ、天沢退二郎、斎藤隆介、富安陽子など、賢治童話の影響を色濃く感じさせる作家がいます。マンガ化や絵本化もされ、その影響は多岐にわたっています。
 当日は、講演と対談を通して、日本児童文学で賢治がどのように評価されてきたか、どのように受容されてきたかを考えます。

内容
基調報告「宮沢賢治の評価史と賢治童話の影響を受けた児童文学」

宮川健郎(大阪国際児童文学振興財団理事長、宮沢賢治学会理事)

講演「賢治童話の絵本化とマンガ化」

大島丈志(宮沢賢治学会理事、文教大学教授)

対談「童話作家・富安陽子さんに「賢治」を聞く」

聞き手:遠藤純(大阪国際児童文学振興財団理事、宮沢賢治学会理事、武庫川女子大学准教授)

質疑応答
富安陽子さん

童話作家。東京生まれ。日本の神話や伝承を生かしたファンタジー読物や絵本を数多く発表。
その作風は、賢治の影響を感じさせるとも言われる。
1991年『クヌギ林のザワザワ荘』で日本児童文学者協会賞新人賞、小学館文学賞。
「小さなスズナ姫」シリーズをはじめ、「ムジナ探偵局」「シノダ!」「内科・オバケ科 ホオズキ医院」「やまんばあさん」「菜の子先生」など数多くのシリーズで受賞多数。
近年の話題作に『博物館少女 怪異研究事始め』がある。

 

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お知らせ

沢村澄子さんが、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞されました

 芸術分野における優れた業績を顕彰する文化庁の芸術選奨において、このたび盛岡市の書家・沢村澄子さんが、文部科学大臣賞を受賞されました。

 文化庁の発表した「選考経過」によれば、今回の沢村さんの受賞は、宮沢賢治イーハトーブ館において2022年7月から10月まで開催された、「宮沢賢治─沢村澄子 現象的書展」における「言葉と対峙する真摯な姿勢」が、高く評価されたものです。

 同庁による「贈賞理由一覧」には、沢村さんの業績について、次のように記されています。

 沢村澄子氏は、書の流派に所属することなく、個展を中心として自己の表現を提示し続けている書家である。その作品は、自分にとって切実な言葉をいかに書くかという、言葉と書のせめぎあいの場に成立している。造形性と運動性を交差させ言葉を書きつける表現は、この現代という時代に共鳴しあうステージに到達している。室内空間を出て、展示フィールドを屋外へと広げるなど、その表現の更なる拡張を続けている。切実な思いを吐露する作品群は、後進へも大きな影響を与えることと思う。

 一方、沢村澄子さんご自身は、今回の受賞へのコメントの中で、次のように述べておられます。

「ワレラ ヒカリノ ミチヲフム」と宮沢賢治は言いました(「花巻農学校精神歌」抄)。疫病、戦争といった暗いニュースが続く中でも、そのヒカリを見失うことなく、いよいよたくさんの皆さんにその大事が届けられるような書作を心して参ります。

2023.2.27 沢村澄子

 沢村澄子さんは、2019年宮沢賢治賞奨励賞も受賞しておられます。
 そしてまた2022年に、貴重なお仕事の舞台としてご一緒させていただいた私ども宮沢賢治イーハトーブ館としても、このたびの沢村澄子さんの受賞を心からお祝い申し上げるとともに、今後ますますのご活躍をお祈りいたします。

 なお、沢村澄子さんの今回の受賞対象となった「宮沢賢治─沢村澄子 現象的書展」の図録は、宮沢賢治イーハトーブ館の売店において、1部1,500円で販売しております。
 全50ページの充実した内容で、屋内で展示されている全作品のほか、壮大な野外インスタレーションも、迫力満点の写真で収録されています。
 図録所収の、宮沢賢治学会イーハトーブセンター前代表理事・岡村民夫による論考「ライフ・オブ・ラインズ 沢村澄子と宮沢賢治」は、宮沢賢治自身の「書」、またその作品中に現れる「文字」の魅力を紹介しつつ、沢村澄子さんの「現象的書」との多彩な共鳴を、解き明かしています。

 この機会にぜひお求め下さい。

 以下に、図録の表紙とそのページのごく一部を、ご紹介いたします。

企画展「宮沢賢治─沢村澄子 現象的書展」図録・一部紹介

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イーハトーブ館企画展示

企画展「第3回 賢治さんの世界を描く絵画展」を開催します

 花巻市内の小学生児童が、日頃取り組んだ作品を展示し、紹介しております。
 2022年夏休み期間中にワークショップを開催した際の作品のほか、市内の各小学校から作品をお寄せいただきました。
 第3回となる今回は、半数以上が初めて応募してくださった小学校の作品です。
 小学生児童が感じ描きあげた賢治さんの世界が約100点、展示場いっぱいに拡がっています。

企画展「第3回 賢治さんの世界を描く絵画展」

展示期間: 2023年1月22日(日)~3月31日(金)
時間: 8:30~17:00
会場: 宮沢賢治イーハトーブ館 1階展示場
主催: 宮沢賢治イーハトーブ館/宮沢賢治学会イーハトーブセンター

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お知らせ

「宮沢賢治ビブリオグラフィー」を更新しました

 このたび、2021年1月~12月の間に発行された、宮沢賢治関連の資料の網羅的収集・整理が完了し、新たなデータ301件を、「宮沢賢治ビブリオグラフィー」に追加しました。

 今回追加したデータの分類内訳は、下記のとおりです。

  • 【作品集】 7件
  • 【論集・特集】 19件
  • 【研究・評論】 94件
  • 【学位論文】 2件
  • 【国語教育】 7件
  • 【書評】 7件
  • 【座談・対談・インタビュー】 5件
  • 【エッセイ・その他】 110件
  •  過去目録の補遺 50件

 これで、当サイトの「宮沢賢治ビブリオグラフィー」収録データ総数は、14,967件となりました。

 どうかこの最新のデータベースを、宮沢賢治に関する調査・研究にお役立て下さい。

宮沢賢治ビブリオグラフィーへ

宮沢賢治ビブリオグラフィーとは

 宮沢賢治学会イーハトーブセンターでは、1990年以降に発行された、宮沢賢治作品の書籍や作品集、研究・評論、エッセイ、書評、対談・インタビュー、新聞記事、その他の文書を網羅的に調査し、「題名」「著編者名」「書名・誌名」「発行年月」「対象としている賢治の作品名」「キーワード」等を登録したデータベース「宮沢賢治ビブリオグラフィー」を、毎年作成・更新しています。

 当センターが年1回発行する機関誌『宮沢賢治研究 Annual』には、その年に集計された資料の最新目録に加え、各資料の内容要旨を、掲載しています。
 また、宮沢賢治の作品名および事項(キーワード)から参照できる、過去の全ビブリオグラフィーデータの索引も、掲載しています。

お願い

 宮沢賢治ビブリオグラフィーに登録されていない図書、研究、評論、その他の掲載誌紙について、ご寄贈、または入手方法などのご教示を、お願いいたします。

 宮沢賢治学会イーハトーブセンターでは、会員の皆様に広くご利用いただけるよう、資料の充実に努めています。

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イーハトーブ館企画展示

イラスト展「ひかるの世界」を開催します

展示期間: 2022年10月15日(土)~2023年1月20日(金)
時間: 8:30~17:00
会場: 宮沢賢治イーハトーブ館 1階展示場
主催: 宮沢賢治イーハトーブ館/宮沢賢治学会イーハトーブセンター

イラスト展「ひかるの世界」

ひかるは、花や木の実、昆虫などの自然が大好きな12歳(小学6年生)の女の子です。
幼稚園の頃から、季節の色や風の音、山の声など、自然から感じたイメージをイラストや詩で表現しつづけています。

人とお話しするのは苦手ですが、「ひかるの世界」のみんなとは、たくさんお話できるのです。
今回は、5~12歳(現在)の作品を展示させていただいております。
ぜひ、「ひかるの世界」をお楽しみ下さい。

展示作品の内訳
  • イラスト作品 84点
  • 手作り絵本、作品ファイルなど 40点
  • 木の実コレクション、立体アート作品 60点
展示風景

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定期大会

【会員向け】2022年度総会招集について(通知)

 謹啓 会員の皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

 さて、下記により定期総会を開催いたしますので、ご出席下さいますようご通知申し上げます。

 ご出席いただける場合は、事務局あてにメール(kenji.info@kenji.gr.jp)またはFAX(0198-31-2132)または電話(0198-31-2116)にて、お名前と会員番号をご連絡下さい。

 ご欠席される場合は、できましたらお手元にお送りした「委任状」に必要事項をご記入の上、FAX(0198-31-2132)または郵送またはメール添付(kenji.info@kenji.gr.jp)にて、事務局にご送付下さい。

2022年度 宮沢賢治学会イーハトーブセンター定期総会
1 日時

 2022年9月22日(木) 13時30分開始(受付は13時より)

2 場所

 花巻市定住交流センター(なはんプラザ)

3 議題

 議案第1号 2021年度事業報告及び収支決算の承認について
 議案第2号 2022年度事業計画及び収支予算の決定について
 議案第3号 役員の承認について

※ ご出席いただける場合、事務局へお申し込みいただきますようお願い申し上げます。
※ 新型コロナウイルス感染症予防のため、当日入場制限を設ける場合があります。

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その他のイベント

講座「宮沢賢治で卒論・修論書いてみる?」の申込み募集中!

 昨年に続き本年も、宮沢賢治とその作品を扱った卒論・修論を書こうとする学生向けの、講座を開催します。
 岩手県花巻市に本拠を置く「宮沢賢治学会イーハトーブセンター」の理事・編集委員による、オンライン講座です。

 あなたも、第一線の宮沢賢治研究者の指導に触れつつ、研究の領野に踏み出してみませんか?

2022年10月2日(日)13:00~16:20
Zoomによるオンライン開催

  • 対象:宮沢賢治で卒論・修論を書こうとしている大学生および大学院生
  • 規模:講師  7名 参加者 20~25名程度
  • 主催:宮沢賢治学会イーハトーブセンター
タイムテーブル

13:00~13:10 セミナー代表挨拶 講師紹介
13:10~14:20 参加者自己紹介(テーマは受付で記入)
         講師によるテーマ説明(1人10分)・グループ分け
14:20~14:35 休憩
14:35~15:25 各グループでの懇談(前半)
15:25~15:35 休憩
15:35~16:15 グルーピングを変えて懇談(後半)
16:15~16:20 まとめ

講師

大島 丈志(文教大学教育学部 教授)
 農業・労働・経済・絵本

大塚 常樹(お茶の水女子大学 名誉教授)
 文学理論・科学・動植物・音楽

鈴木 健司(文教大学文学部 教授)
 仏教・地学・心理学

千葉 一幹(大東文化大学文学部 教授)
 文芸批評・哲学・比較文学・文明論

宮川 健郎(武蔵野大学 名誉教授)
 児童文学・子どもと読書・国語科教育

岡村 民夫(法政大学国際文化学部 教授)
 民俗学・フィールドワーク・表象文化論

森本 智子(武庫川女子大学文学部 非常勤講師)
 風景環境学・ポップカルチャー・恋愛

申込み方法

 下のボタンを押して、表示されるフォームに必要事項を入力し、送信して下さい。

「宮沢賢治で卒論・修論書いてみる?」申込みフォームへ

 または、下記項目をメールに記入し、宮沢賢治学会イーハトーブセンター(kenji.info@kenji.gr.jp)までお送り下さい。
  名前 学校名 在学年 研究テーマ 電話番号 メールアドレス その他

 
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宮沢賢治研究発表会

第31回宮沢賢治研究発表会のご案内

 第31回宮沢賢治研究発表会を、下記の要領で行います。

 本研究会は、当センターとしても重要な行事の一つですが、今年は3年ぶりに、対面形式で開催できることになりました。
 会員以外の方も参加できますので、宮沢賢治に関心のある多くの皆様のご出席を、お待ちしております。

 なお、新型コロナウイルスの流行状況によっては、花巻市関連施設の使用ガイドラインにより入場制限を行う場合がございますので、ご了承下さい。

日時

2022年9月23日(金・祝) 午前10時~12時30分

会場

宮沢賢治イーハトーブ館 ホール

発表者と発表要旨 (五十音順に掲載しており、当日の発表順ではありません)

黄 毓倫

現代小説の中で奏でられる宮沢賢治 ──恩田陸『蜜蜂と遠雷』を例に──

 『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎、2016)は、第156回直木賞と第14回本屋大賞をダブル受賞した恩田陸の長編小説で、主要登場人物である四人の若きピアニストが国際ピアノコンクールに挑み、葛藤しながら成長していく過程を描いた青春群像劇であり、「音楽小説」でもある。作中、第二次予選の課題曲の一つに、「春と修羅」というタイトルの曲が指定されている。他の課題曲は既存のクラシック音楽であるのに対し、「春と修羅」は唯一、架空の曲となっている。「宮沢賢治はすごく音楽的な作家だと思ったので、作中で使」ったという作者自身の言葉があるが、『蜜蜂と遠雷』における「音楽」の描かれ方は、賢治の音楽に対する認識を反映していると思われる。本発表では、『蜜蜂と遠雷』における「春と修羅」が演奏される場面の描写を中心に、同作がどのように賢治作品に現れる「音楽」と共鳴し合っているかを探り、賢治作品の魅力を、現代小説の中に新たに発見することを試みる。

齋藤 雅典

自筆教材絵図における土壌微生物に関わる図:羅須地人協会で「菌根」の講義をしたのだろうか

 宮沢賢治が羅須地人協会での農家向け講義のために作成した教材絵図が49枚残されている。それらの中には、土壌・栽培関連の図表とともに、植物の組織、細胞、微生物などの精密な図がある。本報告では、土壌微生物に関わる3枚の絵図に注目した。これらは、1) 硝化菌などの代表的な土壌微生物、2) マメ科の根に共生する根粒菌、そして、3) 寄生根と2種類の菌根の図である。賢治が参考にした可能性のある盛岡高等農林所蔵の関係書籍を調査し、これらの絵図の参考となった資料を探った。1) 2) については参考とした書籍・図版を推定することができたが、3) については調査対象書籍から参考にしたと思われる図版を見つけられなかった。「菌根」とは植物根に菌類が共生している状態を示す生物学の専門用語であるが、「菌根」に関わる科学的知見がきわめて限られていた当時、賢治が「菌根」を教材として選んだ理由について考察する。

増田 栞里

ザネリという存在への再検討

 本発表は「銀河鉄道の夜」に登場するザネリという存在に対して、物語の深層部における役割について検討するものである。
 従来のザネリに対する評価は、ザネリを快く思っていないジョバンニからの印象に基づいている。他方でザネリの言動だけに注目すれば、ザネリからジョバンニに対する直接的な悪意は感じられない。加えて物語自体がジョバンニの視点で書かれているという前提を考慮すると、鳥捕りやかおる子らに対して疑心や苛立ちといった負の感情を抱くジョバンニを純粋な善の側に立つかわいそうな子として捉えて、ザネリを一方的に悪意あるいじめっ子と評価することにいささか疑問が残る。
 この悪意なく悪意ある存在と誤認される様が、法華経の常不軽菩薩を彷彿とさせる。常不軽菩薩が「我不敢輕慢汝等」と呼びかけてさとりに導いたのと同じように、ザネリは「ラッコの上着が来るよ」と呼びかけてジョバンニを導く存在なのではないかと思われる。

山口 登

宮澤賢治とSTEAM教育 ~永訣の朝の新しい解釈可能性を求めて

 現在教育界ではSTEAM教育が推進されているが、賢治文学はサイエンス(S)とアート(A)が融合した希有な文学として高校生に学ばせる価値がある。
 高校国語教材の定番である「永訣の朝」に描かれた蒼鉛(ビスマス)という金属は現在最先端の科学技術で注目を浴びる金属である。私の考えでは、この詩にはビスマスの性質が至るところに表現されており、主題にも大きく関与している。これを理解するためには、ビスマスという非常に面白い性質を持つ金属について学ぶ必要がある。その上で、金属材料に対する興味を喚起し得るビスマスという金属を後期中等教育の現場で高校生が学ぶことの価値を示したい。
 詩教材は受験に関係ないものとして敬遠される傾向にあるが、これからの日本の教育を考える上で、このような性格を持つ賢治の詩、並びにSTEAMの先駆者である賢治の存在を高校生が学ぶことの価値を主張したい。